高校受験は中学生にとって人生の大きなターニングポイントです。
多くの中学生は「高校受験に失敗したらどうしよう…」と心配を抱えながら本番に挑むでしょう。
保護者は、お子さんがもし「高校受験に失敗したら?」という問題に備える必要があります。
この記事では高校受験に失敗したときの対処法について紹介します。
以下は僕の自己紹介です。
高校受験で失敗したら?
高校受験で全部不合格だった時の声かけ&接し方は…
の5つになります。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
気持ちに寄り添う
お子さんの気持ちに寄り添うことが大事です。
受験に失敗して一番ショックを受けているのは本人ですから、そっとしてほしい時もあるはず。
落ち込んでいるときにはそっとしてあげ、話を聞いてほしいときにはお子さんの声に耳を傾けましょう。
中学受験を経験していなければ、人生で最初の関門だった高校受験。
失敗という「辛い経験」を保護者が理解しないで、誰が出来ると言うのでしょうか?
結果を責めない
保護者が高校受験で失敗したお子さんに「やってはいけないこと」は、高校受験失敗という結果を責めることになります。
お子さんを責めたところで、「親は何も分かってくれない」という気持ちを抱かせるだけです。
親子間の信頼関係が崩れてしまうと、関係修復に時間がかかり、高校受験失敗のダメージがより大きくなってしまいます。
ネガティブな発言をしない
「もっと勉強すればよかったのに」などのネガティブな発言は厳禁です。
お子さんは、現状に対して不安や焦りを感じています。
お子さんにとって一番の味方であるべき保護者が、追い打ちをかけてしまっては気持ちの逃げ場が無くなってしまうでしょう。
結果ではなく過程を褒める
高校受験失敗という結果ではなく過程を見てあげましょう。
保護者には「もっと頑張れたのでは?」という思いもあるかもしれませんが、お子さんが高校受験本番までに努力してきたはずです。
もしかすると、緊張による体調不良などで力を発揮できなかった可能性もあります。
努力不足でないのであれば、受験本番まで頑張ったお子さんを褒めてあげましょう。
今後の進路を一緒に考え直す
第一志望の高校が不合格だった場合、今後の進路を一緒に考え直すことが大切です。
高校卒業後に大学進学をするのかなど、様々な観点でこれからの進路について考えなければならないことがあります。
すべり止めの高校でも目標を達成することができるのであれば、進学を前向きに考えても良いでしょう。
私立高は教育費の負担が大きいイメージがありますが、授業料無償化が進むなど公立との差は実は大きくない場合が多いです。
高校受験の失敗は十分に取り返しが可能です。保護者がお子さんと進路を一緒に考え直す時間を持ってください。
全部不合格時の選択肢
高校受験で全部不合格だった時の選択肢は、次の7つになります。
それぞれ確認していきましょう。
併願の私立高校に進学
第一志望の公立高校の受験に失敗したときは、併願校として受験した私立校に進学するのが一般的です。
高校受験は、公立高校の前に私立高校で実施されます。
第一志望が公立高校だった場合、あらかじめ私立高校に合格することで第一志望校の受験に失敗してしまった時の対策ができます。いわゆる「すべり止め」です。
私立は公立に比べて劣るというイメージを持っている方もいるようですが、僕は私立の中高一貫校に勤務しているので、私立の良さに目を向けて欲しいと思っています。
公立に比べて充実した施設や設備、私立ならではの魅力的なカリキュラムや校風など私立にしかない良さがあります。
これまで公立高校の受験で失敗して私立に進んだ高校生を多く見てきましたが、私立高校で良かった言いながら卒業する高校生が圧倒的に多かったです。
公立高校の二次募集を受験
定員割れをした公立高校では二次募集が行われます。
私立高校の合格が決まらなかった場合や、公立高しか受験していない場合は、「二次募集」で公立高校の受験に再チャレンジすることが可能です。
二次募集は、募集定員に達していない高校が生徒を追加する目的で実施するので、希望する学科での募集があるかは年によって違いますが、まずは二次募集があるかを確認してみましょう。
定時制や通信制の高校へ進学
高校と言うと一般的に全日制高校を指しますが、高校には全日制だけでなく、定時制高校や通信制高校と他にも選択肢があります。
定時制高校なら夕方や夜間など時間を自由に選べる利点があり、通信制高校なら自宅で勉強できるという利点があるのです。
定時制高校や通信制高校は公立高校の受験終了後でも出願可能な場合が多いです。
出願可能な日程を確認してみましょう。
海外留学
ひと昔前は留学というと大学生からというイメージでしたが、高校生の海外留学が増えています。
高校生の多くは高校2年次に学校を休学する形で海外留学をしたり、卒業後に短期間で海外留学をすることが多いようです。
敢えて、海外という未知の環境に身を置き、グローバルな視点を身につけるという選択肢があっても良いのではないでしょうか?
海外留学なら語学力向上など、将来、役立つスキルを身に付けることができます。
海外の学校は日本と違って4月入学では無いので、9月入学に向けて準備をするという選択肢も検討してみましょう。
高等学校卒業程度認定試験の合格を目指す
将来的に大学進学を考えているなら、高等学校卒業程度認定試験の合格を目指すのも選択肢の一つです。
高等学校卒業程度認定試験に合格すれば、大学受験を受験することができます。
注意点は、高等学校卒業程度認定試験の合格では「高卒」という学歴を名乗ることができないことにあります。
「高卒」の資格が必要な場合は、定時制高校や通信制高校を選択するべきです。
また、大学受験に合格するレベルの学力を得るためには、相当な努力が必要になる点も考えましょう。
浪人する
高校受験で浪人して翌年再チャレンジする受験生は少ないです。
学校に行かず自宅で勉強するのはなかなか大変になります。
翌年の高校受験が成功しても、1歳年下のクラスメイトと過ごすことになり、耐えられずに高校を中退する場合も多いです。
ここまで挙げたリスクは一部で、他にもさまざまなリスクが考えられます。
どうしても志望校でなければいけない理由があるのなら仕方ありませんが、大学進学時に大抵の場合は軌道修正が可能です。
僕は、浪人ではなく高校進学後に頑張るのが多くの高校受験生で失敗した受験生にとって良い選択だと考えます。
高校進学せずに就職
何かやりたいことがある場合は、高校進学せずに就職するという選択肢もありますが、「中卒」で就職する場合は選べる職業がかなり制限されます。
「中卒」という学歴ではなかなかステップアップが難しいのが現状です。
かなりリスキーな選択であることを踏まえなければなりません。
高校受験で失敗したら担任の先生に相談
受験に失敗した場合、担任の先生に相談しましょう。
担任の先生はクラスの生徒の進学先を決めるために進路指導に当たっています。
一般的に担任の先生は、合格の可能性の低い志望校はすすめません。合格の可能性の低い志望校にチャレンジする場合は、すべり止めの学校の受験を条件にするはずです。
担任の先生の指示を守らず、進学先が決まっていないのであれば、親身になって相談に乗ってくれるでしょう。
全落ちしないための対策
高校受験で全落ちしないための対策は…
の5つになります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
高望みしすぎしない
志望校の決定は慎重に慎重を重ね、自分の成績に見合った志望校に出願することが大切です。
志望校を考える中でお子さんが…
「〇〇高校(現在より偏差値が10高い高校)に行きたい!」
と主張してきたらどうしましょう?
保護者の心境としては…
「チャレンジを応援してあげたい」
という思いと…
「合格できるレベルの高校を選んでほしい」
「受験に失敗してほしくない」
という思いが入り混じることでしょう。
実際、志望校を高望みすることで勉強に対するやる気を出して、偏差値を10以上アップさせた受験生はいます。
一方で、目標だけが高く、行動は変わらないままチャレンジ受験をしてしまい、私立高校しか行き先がなくなってしまった…という受験生も数多く見てきました。
保護者や担任の先生が、きちんと志望校を「高望みしすぎない」ようにコントロールすることが重要です。
体調を万全に
受験直前に一番大事なのは「体調を万全にすること」です。
受験直前は本番に備えてしっかりと食事や睡眠を取り、万全の体調で試験に臨みましょう。
▼高校受験直前の対策については以下の記事を参考にしてください。
公立一本は避ける
高校受験は…
- 公立高校・私立高校の推薦入試
- 私立高校受験
- 国公立高校受験
- 公立高校の二次募集
の順で異なる日程で行われます。
私立高校受験は日程が重ならなければ、複数受験することができます。
事前に併願し、第一志望の高校以外の高校に合格しておけば、安心して第一志望の高校を受験することが可能です。
第一志望の高校だけでなく、もしもに備えて第二志望の高校を併願しておきましょう。
公立一本の受験は避けましょう。
高校受験に失敗しても、挽回は可能
高校受験に失敗した受験生は、人生最大の挫折感を味わいます。
確かにつらい経験を味わっていますが、高校受験に失敗しても、人生が終わるわけではありません。
もちろん、志望校に入学することは大切ですが、それがすべてでは無いのです。
あくまで志望校に合格することで、その後の進路を描きやすくなるというだけで、志望校以外の高校からでも理想の進路に進むことは可能になります。
実際に、僕の教え子に高校受験に失敗して第二志望の高校に進学し、大学受験で第一志望の高校に合格するのを見てきました。
高校受験に失敗しても、今後の努力次第で十分挽回することが可能です。
第一志望がベストとは限らない
高校受験で自分の偏差値より高い志望校に合格した生徒の話です。
高校進学後に…
「授業についていけない」
「テストが赤点だらけ」
という状態になって苦しむようになってしまいました。
「鶏口(けいこう)となるとも牛後(ぎゅうご)となるなかれ」という、ことわざがあります。
大きな組織の下っ端にいるより、小さな組織でも長となって重んじられるほうがよいというたとえ。
故事ことわざ辞典より
偏差値が高い高校で最下位で苦しむよりは、「自分に合った高校で1番になった方が良いよね!」と言い換えることができます。
あこがれの第一志望校に入学することがベストとは限らないということです。
高校受験で失敗したら?
高校受験で全部不合格だった時の声かけ&接し方は…
の5つになります。
保護者が高校受験に失敗しないで欲しいと願うのは当たり前です。
高校受験は出題範囲がとても広いので、長期的かつ計画的なスケジュールが必要になります。
また、高校受験で失敗をしないためには、勉強習慣の確立と正しい勉強方法を身につけることが重要です。
勉強習慣の確立と正しい勉強方法を身につけることができれば、定期テストの成績アップによって内申点も良くなる相乗効果が生まれます。
内申点は高校受験において重要な要素なので、内申点の良い受験生は有利に戦うことができます。
長期的かつ計画的なスケジュールをもとに、基礎固め→問題演習→過去問演習と段階的に高校受験に向けて準備をしてけば、高校受験で失敗する可能性は低くなるでしょう。
高校受験を失敗しないためには、次の記事が役立ちます。
▼高校受験の勉強スケジュール
▼高校受験の勉強法
この記事がお子さんの進路決定のお役に立つことを祈っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。