最近の高校受験では、考え方のパターンを覚える今までの方法が通用しない『思考力を問う問題』が増えてきました。
高校受験の合否を分けるのは思考力と言っても過言ではありません。
ところが……

思考力を高める方法を知りたい
と思っても、思考力を鍛えるってどうすればいいの?という保護者が圧倒的に多いはずです。
この記事では、「思考力を鍛える方法」を解説します。
以下、信頼性のため自己紹介します!

思考力を鍛える方法
これからの中学生には「幅広い知識と柔軟な思考力に基づいて判断すること」が求められています。
思考力を鍛えるのは簡単ではありません。
時間がかかるし、中学生に必要な能力の中で一番「身につけることが難しい能力」だと言えます。
では、中学生が思考力を鍛えるにはどうしたらいいのでしょうか?
現役の中学校教師が考える、中学生が思考力を鍛える方法は……
- 手帳を使って予定を管理する
- 物事を比べる意識を持つ
- 思考する習慣をつける
- 知識をアウトプットする
- 過去の思考を振り返る
の5つです。
それでは、考力が中学生に必要な理由から解説していきましょう。
思考力が中学生に必要な理由
学習指導要領の中では思考力は……
問題発見・解決のために必要な集めた情報によって仮説を立てたり、推測したりして問題を解決し、さらに次の問題解決に生かすなどの『考える力』とされています。
思考力が必要な場面は勉強だけに限りません。
学校生活の中で先輩や友人とコミュニケーションするときに、相手の気持ちを思いやる、自分の気持ちを相手に伝える場面で思考力が必要になります。
今の中学生が社会に出る頃には今現在存在している多くの仕事が無くなっていると言われています。
今後は科学技術の発達によって、簡単な作業は機械やAIに置き換わっていくからです。
考える必要のない「指示通りに作業すること」を人間がする必要性が無くなるでしょう。
また「計算」などは、人ではなくコンピューターの方が確実かつ短時間で行えます。
ということで、これから先「人が担う仕事」は、機械やAIにできない「工夫する」だったり「発想する」などの思考力、つまり『考える力を伴うもの』に限定されていくはずです。
教員を含めて、中学生に関わる大人には…未来に向けて、すべての中学生が社会の変化に対応できるように導くことが求められます。
今後は、ますます中学生にとって思考力が必要な時代になることは間違いありません。
思考力を構成する3要素

思考力の土台は『知識』と『経験』です。
『知識』と『経験』を土台として……
- 見通しを立てて行動する力
- データをもとに考察する力
- 試行錯誤して答えを導き出す力
という3つの力が思考力を構成する要素になります。
見通しを立てて行動する力

思考力の高い中学生を学校で見ていて思うことは「見通しを立てて行動している」ということです。
思考力の高い中学生は、以前の経験や知識をもとに必要な条件をなどの見通しを立てて行動しています。
反対に、思考力が低い中学生は行き当たりばったりで行動することが多く、先を見通して行動することができません。
当然ですが、見通しを立てて手順通りに行動しても、中学生ですから失敗がたくさん起こります。
失敗が起こった時に大事なことは、「失敗から何を学ぶか」で、失敗した経験を次に生かすことで、失敗をくりかえさないように思考して行動することができます。
見通しを立てて行動することは、思考力を鍛えることにつながります。
データをもとに考察する力

模試や高校受験では、教科書にのっていないデータをもとに考察する問題が出題されます。
「教科書に載っていない=解けない」と思うかも知れませんが、教科書に載っていない問題がで出題されるのには理由があります。
模試や高校受験の問題は教科書をベースにつくられます。ところが、教科書は学校によって違うものを使用していることを見逃してはいけません。
A社の教科書にもB社の教科書にも共通していることは当然出題されます。
では、A社とB社で取り扱っているテーマでそれぞれ載っている例が違っていたらどうでしょうか?
A社の教科書の例を使うとB社の教科書を使っている中学生が不利です。
ですから、A社の教科書にもB社の教科書にものっていない例を使って、思考力を問う問題を出題するしかなくなります。
A社の教科書にもB社の教科書にものっていない例を使って思考力を問う問題に必要なのは、「データをもとに考察する力」です。
教科書にのっていないことは知らなくて当然でしょう。
しかし、「多分こうなるだろうなと考察できるか」が問題で問われているので、思考力を鍛えることでした対応できません。
試行錯誤して答えを導き出す力

思考力の低い中学生は、すぐに答えを聞きたがるという特徴があります。
実際、答えを聞けば楽ですよね。思考する必要が無いですから。
思考しなければ、思考力は絶対に高まりません。特に中学生が思考力を高めたい場合は、試行錯誤した経験がカギになってきます。
試行錯誤した経験として、一番良い方法は「ものをつくること」です。
ヒトには、ものをつくるときに「ココをこう変えたら面白そう」というように試行錯誤をします。
万が一失敗しても、「もう一回やってみよう!」とあきらめずに試行錯誤するので、反省する力や違った視点から見る力などの「思考力」が鍛えられます。
思考力を鍛える方法を詳しく解説
思考力は筋力トレーニングと似ています。
筋力トレーニングは基礎体力がないと始められないですし、すぐに効果があらわれないので焦らず時間をかけて取り組む必要があります。
思考力は『知識』と『経験』をベースとして、時間をかけて鍛えるしかありません。
中学生が思考力を鍛える方法として……
- 手帳を使って予定を管理する
- 物事を比べる意識を持つ
- 思考する習慣をつける
- 知識をアウトプットする
- 過去の思考を振り返る
の5つです。
中学生が思考力を高めたいと思ったら、ここから解説する5つの方法をすぐに始めることが重要です。
逆算思考を身につける

思考力を鍛える第1歩は、逆算思考(目標やゴールから逆算して考えること)を身につけることになります。
逆算思考と言われてもピンとこないかも知れませんが、具体的な方法として手帳を使った予定の管理がおすすめです。
今20時。今日は23時には寝たい。23時までに宿題を済ませて、趣味の時間も確保…と言う感じで逆算思考が身に付きます。
予定を丸暗記しようとする中学生がいますが、間違いなく予定を忘れてしまうでしょう。中学生に限らず、大人が予定を丸暗記しようとしても忘れますよね?
油性ペンで予定を手の甲にメモする中学生も良く見かけます。翌日の予定なら油性ペンで予定を手にメモする方法もアリですが、一週間後の予定は絶望的です。お風呂に入ったら消えてしまいます。
学校の帰りの会で、後日の予定の変更を伝えようと手帳ではなく慌ててルーズリーフのノートを取り出してメモする中学生がいます。
丸暗記に比べればマシですが、そのメモは大体無くします。無くしたら見返すことは永遠に不可能です。
僕自身が予定を忘れて困るのが自分だけであれば良いのですが、人に迷惑をかけてしまうかも知れません。人に迷惑をかけてしまうと、信頼を失いかねません…。
中学生こそ、手帳を使った予定の管理で逆算思考を身につけるべきです。
物事を比べる意識を持つ

物事を比べることで、ヒトの思考力は鍛えられます。
物事を比べることでヒトの思考力が鍛えられる理由は、それぞれの「共通点やメリット・デメリットを見出すことができるから」です。
実は中学生が「物事を比べる機会」は結構あって、ネットショッピングで洋服を買ときが良い例になります。
複数の商品からデザインを比べて1つを選び、欲しい商品をどの店で購入するか値段を比べて選ぶはずです。
「この服の素材は着心地が良い素材だな」
「この店は一番安くてお得・・・いやいや送料が高いぞ」
というように、物事を比べることで思考力が鍛えられます。
お子さんが日常的に「物事を比べる意識」を持って生活するように声をかけましょう。
思考する習慣をつける
思考力を鍛えるには、理由や原因を思考することがめちゃくちゃ大事です。
また、理由や原因を思考する習慣が思考力に大きく影響します。
理由や原因を思考する習慣と聞くと難しく感じるかもしれません。
そんなに構える必要は無くて、理科であれば……
「胃液で胃が溶けないのはなぜ?」
「飛行機はどうやって飛んでるの?」
「なんで消しゴムで字が消えるの?」
といった素朴な疑問を思考するだけでOKです。
難しいテーマを考えようとして、分からないで終わっては意味がありません。
難しいことを考えようという話ではなく、『思考する習慣をつけること』が大事になります。
疑問を解決するために考える、分からないことを調べる必要があるということは言うまでもありません。
知識をアウトプットする

思考力の土台は『知識』と『経験』です。
経験は色々なことにチャレンジすることで得られます。
では、知識を得るのに最適な方法は何でしょうか?
多くの方が知識を得るのに最適な方法は「読書」と答えます。
※知識だけでなく、語彙力を高める効果も期待できます。
読書と切っても切り離せないのが「読解力」になります。
→中学生が読解力をつける方法
試行錯誤することの重要性の話の中で、思考力の低い中学生は「すぐに答えを聞きたがる」という特徴を挙げました。
実は、思考力の低い中学生はすぐに答えを聞きたがるだけでなく、あるフレーズを多用します。
「何から始めたら良いか分からない」です。
知識が整理できていないので、知識をどこでどう使えばいいのか分からない中学生が本当に多いことを示しています。
この問題の解決方法は『知識をアウトプットすること』になります。
読書で得た知識を他の人にアウトプットすると……
「どうしてこんな結果になったんだろう?」
「こういう方法もあるんじゃないか?」
というように、思考が深まります。そして、知識をアウトプットすれば「知識が整理される」ので、自由自在に必要な知識を引き出せるようになります。
多くの中学生は、相手に自分の意見がうまく伝わらないと伝えるのを諦めてしまいがちです。
自分が得た知識をアウトプットすることは、自分の言葉で相手に伝える練習にもなります。
過去の思考を振り返る

後から自分の解答を振り返ってみると、ベストな解答のはずなのに…ミスしていたり、もっと良いアイデアが浮かんだりと修正点が見えてきます。
このように、過去の思考を振り返ると「思考が深まる」ことが多いです。
また、単に解答だけを振り返るのではなく「どのような過程を経てその解答に至ったか」も振り返ると良いでしょう。
「あぁ、この時はこう考えていたな」と振り返ることで、次に似た内容を思考するときのスピードや正確性を高めることができます。
以上の理由から、思考を振り返るとは大事です。ノートをパラパラ見直すだけでOKです。
空いた時間に「過去の思考を振り返る時間」をつくりましょう。
思考力を鍛える方法
これからの中学生には「幅広い知識と柔軟な思考力に基づいて判断すること」が求められます。
思考力は筋力トレーニングのように、正しい方法で時間をかけながら身につけるべき力です。
中学生が思考力を鍛える方法は……
- 手帳を使って予定を管理する
- 物事を比べる意識を持つ
- 思考する習慣をつける
- 知識をアウトプットする
- 過去の思考を振り返る
の5つになります。
思考力は一言で言えば『考える力』です。考える力を身につけるには、日ごろから考えることを意識して生活するなどたゆまぬ努力が必要になります。
コツコツ、この記事で紹介した方法を行えば必ず思考力が身に付くでしょう。
▼思考力以外に重要な力も併せてチェックしておきましょう↓
僕の記事が、お子さんの学力アップに役立てば幸いです。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました!
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