中学生にとって、部活と勉強の両立は永遠の課題です。
「帰宅したら勉強しないで寝るのでイライラする」
「協力したいけどそうすればいいのか分からない」
とモヤモヤした感情をかかえている保護者も多いでしょう。
この記事では、部活と勉強を両立させる方法を解説しています。
以下、信頼性のため自己紹介します!

[toc depth=3]
部活と勉強を両立させる方法
部活と勉強を両立させる方法は……
- 【STEP1】ムダな時間を無くす
- 【STEP2】部活と勉強を両立させるためのルールを決める
- 【STEP3】勉強することを明確にする
- 【STEP4】学習習慣を確立する
の4つのステップです。
思春期と言う大事な時期を迎える中学生が、部活と勉強を両立する方法を見ていきましょう。
中学生にとって大事なこと
中学生にとって大事なことは、次の4つになります。
- 規則正しい生活を送ること
- 自己管理能力の養成
- 計画性を持つこと
- 部活に一生懸命取り組むこと
それぞれ、詳しく解説します。
規則正しい生活を送ること
中学生として過ごす3年間は、多くのものを吸収し「心も体も大きく成長する時期」です。
理想は、決まった時間に食事や睡眠をとる規則正しい生活を送ることになるでしょう。
毎日の生活の中で……
- 勉強や部活をする時間
- 食事の時間
- 睡眠時間
という3つの時間は、勉強や部活で力を発揮するために欠かすことのできないものばかりです。
自己管理能力の養成

勉強と部活を両立するためには「自己管理能力」が必要です。
自己管理能力は、別名タイムマネジメントと呼ばれ、時間を有効に使うための能力を指します。
「時間を管理すること=行動を管理すること」と捉えることもできます。
つまり、自己管理能力が重要になりますが、ほとんどの中高生は時間を上手に使えていません。
なぜなら、部活動が優先されているからです。
自己管理能力が高い中学生は……
- 勉強に打ち込む時間
- 部活に集中する時間
- 趣味を楽しむ気分転換の時間
をきちんと切り替えることができます。
○時〜○時は勉強の時間、スマホは○時〜○時までというように、自分自身で時間をコントロールすることができれば、勉強と部活の両立ができるようになります。
同時進行で2つのことをすると…両方ともが中途半端になって、時間を無駄にします。
やると決めたら徹底的にやる、休む時にはリラックスるというように切り替えができないと、スマホを気にしながらながら勉強をしてしまう…なんてことになるわけです。
「時間割」を組んで勉強すると、決まった時間に決まったことができるので上手に切り替えができるようになります。
計画性を持つこと
部活と勉強を両立できる中学生は、部活の大会の日程やイベントの日程をきちんと把握しながら「計画性」を持って行動しています。
勉強時間の確保を意識して生活しているので、定期テストがある日から逆算して計画的に毎日の自宅学習に取り組むことが可能です。
一方、部活と勉強を両立できない中学生は「テスト前だけ」勉強に取り組んでいます。
部活と勉強を両立できる中学生と部活と勉強を両立できない中学生の違いは明確です。
部活と勉強を両立できる中学生は計画性を持って行動し、定期テストでもキッチリ点数を取ることができます。
部活に一生懸命取り組むこと

僕は、成績の良い中学生が部活をおろそかにするというのを見たことがありません。
むしろ、キャプテンや部長を任されたり、生徒会を兼務したりと尊敬される人物であることが圧倒的に多いです。
普段の勉強で努力不足の生徒の方が、定期テスト前に勉強を理由に部活を休むことが多くなります。
当然と言えば当然ですね。普段から計画的に勉強しているわけですから、定期テスト前に慌てる必要はないですよね。
このように、部活に対して一生懸命に取り組む中学生は「勉強ができる」ことが多いです。
部活では勉強に必要な「集中力」を身につけることができます。高校入試では、一生懸命に部活に取り組んだ中学生が「集中力」を発揮し、予想以上の結果を出すのを何度も見てきました。
部活と勉強を両立できる中学生にとって、部活は気分転換やストレス発散になるようです。
両立が難しいなら部活を辞めるべき?
「これ以上成績が悪くなったら、部活を辞めさせます」
部顧問をしていると毎年聞くことになる保護者の宣言です。
部活と勉強の両立ができない原因は、部活にあるのでしょうか?
部活を辞めたら、成績は良くなるのでしょうか?
中2の半ばになって、「高校受験に向けて勉強したいので部活を辞めます」という生徒を何人も見てきました。
退部した生徒のほとんどは勉強をすることなく成績は横ばいか、むしろ低下する有様で、「部活を続けておけばよかった…」と後悔していました。
部活をしていれば、大小はあれど成功体験を積むことができます。
- 出来なかったプレーが努力して出来るようになった
- レギュラーに選ばれた
- 尊敬する先輩に勝てた
- 目標とする大会に出場できた
部活に取り組むことで得られた成功体験は達成感と自己肯定感を生みます。
部活と勉強の両立に苦しんだ経験は、将来きっとプラスに働くはずです。
部活と勉強は両立できます。まずは、部活と勉強を両立できいない原因、から確認しましょう。
部活と勉強を両立できいない原因
中学生は学校で過ごす時間時間が長く、本当に忙しいです。
部活と勉強を両立できいない原因は、次の6つになります。
- 時間をムダにしているから
- 授業進度が速くなるから
- 提出物がたくさんだから
- 効率の悪い勉強をしているから
- 部活で時間と体力を失うから
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
時間をムダにしているから

中学生が部活と勉強を両立できいない原因で一番多いのが、時間をムダにしていることです。
部活と勉強を両立できいない中学生に「なぜ、勉強と部活の両立はできないと思う?」と質問すると、口を揃えたように「時間がないから」と答えます。
中学生が部活で忙しいことは間違いないですが、「本当に時間がない」のでしょうか?
僕は多くの中学生を見てきましたが、「時間がない」と言う中学生の大半は『時間をムダにしている』と確信をもって言えます。
実際に、保護者との面談で生徒の自宅での過ごし方を聞くと……
- スマホに集中し過ぎている
- SNSやYouTubeに夢中になっている
- 友達とLINEばかりしている
とおっしゃいます。もうお分かりだと思いますが「時間がない」のではなく、「時間をムダにしている」のです。
『時間はつくりだすもの』で、勉強と部活の両立のためにはムダな時間を無くすことが重要になります。
授業進度が速くなるから

中学校では小学校の時には勉強しなかった教科も習うことになります。
また、授業内容も小学校の時とは比較にならないほど難しく、それぞれの教科ごとに専門の先生が教える授業が展開されます。
中学校では、小学校の時とは比較にならないほど授業進度が速くなります。
また、中学校の業時数はかなり多いです。進学校であれば、課外がある学校もあります。
授業時数が増えるということは「勉強量が増える」ことを意味します。勉強量が増えた結果、授業進度が速くなり、ついていけない中学生は脱落していきます。
提出物がたくさんだから
中学校では小学校とは桁違いの量の提出物が出されます。
既に話した通り、授業時数が増えるわけですから、理解できているかを確かめるための宿題が多くなるのは当然でしょう。
特に、数学や英語に関しては毎日宿題が出される状況になるはずです。
中学校の宿題は量的な負担も大きいですが、「期限に厳しいこと」も忘れてはいけません。
定期テストで高得点を取っても、課題をきちんと提出していないと成績が下がり、高校受験に影響します。
部活をしながら、自宅でも宿題をするために時間を確保することは簡単なことではありません。
効率の悪い勉強をしているから
部活と勉強を両立に苦労していた中学生たちは「勉強する時間を増やすこと」を重視して勉強していました。
確かに、長時間勉強すればなんとかなるだろうという考えは理解できます。
時間的に余裕があれば可能な勉強法かもしれませんが、部活で忙しい中学生はたくさんの問題をこなすことができないので、部活と勉強を両立するには効率の悪い勉強法と言わざるを得ません。
勉強量を重視するのではなく、『効率の良い勉強方法』を身につけることを優先しましょう。
部活で時間と体力を失うから

部活は中学生にとって有意義なものです。
毎日の部活や大会に出場することで、生徒が大きく成長する姿をたくさん見てきました。
しかしながら、どうしても部活の取り組むことで、失うものがあることを受け入れなけれればいけません。
部活に拘束される
部活の時間は長いので平日も帰宅が遅れたり、学校が休みの土曜日や日曜日は部活で忙しく、勉強時間が確保できないという話もよく耳にします。
仕方のないこととはいえ、部活で拘束されることによって勉強時間が確保できないことは大きな問題です。
部活で体力を失う
部活でのハードな練習の影響で、家で勉強する体力を失う中学生がいます。
運動系の部活は大会が近づけば、練習量も増えていくので体力的にキツいこともあるでしょう。
「部活で疲れて帰宅し、そのまま寝てしまって気がつけば朝に…」
という話は保護者からよく聞く話です。
勉強しない日が続いてしまうと、勉強しない習慣が身についてしまうため、気づいた時には手遅れになってしまいます。
部活と勉強を両立できない根本的な原因
ここまで、部活と勉強を両立できない原因を見てきました。
- 時間をムダにしているから
- 授業進度が速くなるから
- 提出物がたくさんだから
- 効率の悪い勉強をしているから
- 部活で拘束されるから
- 部活で体力が無くなるから
部活と勉強を両立できない根本的な原因は、平日休日共に部活が忙しくて『時間が無い』ことです。
とはいえ、時間が無いことを嘆いても問題は解決しません。
ここからは、部活と勉強を両立させる方法を解説していきます。
部活と勉強を両立させる方法

部活と勉強を両立させる方法は……
- 【STEP1】ムダな時間を無くす
- 【STEP2】部活と勉強を両立させるためのルールを決める
- 【STEP3】勉強することを明確にする
- 【STEP4】学習習慣を確立する
の4つのステップになります。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
【STEP1】ムダな時間を無くす
部活と勉強を両立させるためには、限られた時間内で成果を出すことが大事です。
限られた時間内で成果を出すためにするべきことは「現状の把握」になります。
今日までの最新の1週間の自分の行動を時間と併せて書き出しましょう。
起きた時間、移動時間、登校した時間、食事の時間、部活の時間、帰宅後の行動、寝た時間…すべてを書き出してください。
1週間の自分の行動をを書き出すと、「すき間時間」と「無駄な時間」が浮かび上がってきます。
「すき間時間」と「無駄な時間」はすべて勉強の時間にする・・・なんてことをしたら頭がおかしくなってしまいますよね?
「すき間時間」と「無駄な時間」をハッキリとさせて現状を把握すれば、時間の使い方について改善できる可能性が見えてきます。
まずは、現状の把握を行いましょう。
【STEP2】部活と勉強を両立させるためのルールを決める
現状の把握ができたら即修正…といきたいところですが、もう1つやっておくべきことがあります。
それは、「部活と勉強を両立させるためのルール」を決めることです。
部活と勉強を両立させるためのルールでは……
- 1日あたり何時間勉強するのか
- 何時から何時まで勉強するのか
- 勉強時間にはスマートフォンなどの誘惑物をどうするのか
などを決めるべきです。
部活と勉強を両立させるルールを決めるときに大事なことは、部活と勉強を両立させるためのルールを『お子さんに自分自身で決めさせること』になります。
自分で決めたルールを守る。社会人としても大事な事ですよね。
中学生は強制されることを嫌い、主体的に取り組む方が頑張ります。
部活と勉強を両立させるためのルールは、紙に大きく書いて見える場所に貼っておきましょう。
【STEP3】勉強することを明確にする
部活と勉強を両立できない中学生は、良く考えずにやみくもに勉強する傾向が強く、「何のために」や「何をするべきか」を考えながら勉強しません。
勉強をする内容がハッキリしていないと、机に座っているだけで勉強しないまま時間だけが過ぎていきます。
毎日の勉強の時には、具体的に「英単語を10個覚える」など勉強内容をリスト化しておくと良いでしょう。
定期テスト前におすすめな方法が、教科書や問題集の『もくじをコピーすること』です。
コピーしたもくじは、勉強するべき内容のリストになります。もくじをもとに勉強すれば、勉強中に自分がどこを進んでいるのかがわかるので、迷うことなく勉強を進めることができます。
もくじが無い時は「テスト範囲を箇条書きにしてリスト化」すればOKです。
【STEP4】学習習慣を確立する

ここまで、部活と勉強を両立させる方法を解説してきましたが、部活と勉強を両立するために最終的に必要なことは「学習習慣の確立」です。
毎日、勉強することが「当たり前の状態」にしましょう。
部活と勉強を両立できない中学生は……
- 追い込まれないと宿題をしない
- テスト前だけ猛勉強する
という特徴を持っています。
一方で、部活と勉強を両立できる中学生は「毎日決まった時間に」勉強する習慣が確立されています。
それでは、勉強習慣を確立するためにするべきことを見ていきましょう。
仮眠をとってから勉強する
部活による疲労で眠いときは、仮眠をとるのも有効な手段です。
ご飯を食べて30分くらいすると眠くなるので、そのタイミングで仮眠をとりましょう。
長く寝てしまうと起きてから、眠気が増してしまいます。ですから、仮眠の時間は10~15分程度にしてください。
仮眠をとるときには……
- 目覚まし時計やアラームなどをかける
- 布団では仮眠を取らない
- 仮眠をとる前にカフェインの入った飲み物を飲む
を行うと、目が覚めやすくなるはずです。
仮眠をとる時間を決めてしまえば、毎日決まった時間から勉強を始めることができます。
自分にぴったりな仮眠のとり方を工夫しましょう。
朝型の勉強スタイルにする
帰宅後に、むりやり眠いのを我慢して勉強しても効果的ではありません。
思い切って寝るて、早朝に起きて勉強をする「朝型の勉強スタイル」にするのも1つの手です。
朝は頭がスッキリしているので、効率よく勉強できます。
朝型の勉強は遅刻対策にもなるので、おすすめの方法です。
学習習慣を確立するために、朝型の勉強スタイルに挑戦してみてはいかがでしょうか?
スキマ時間で宿題を終わらせる
「朝型の勉強スタイルは難しい…」という中学生は「スキマ時間で宿題を終わらせる」しかありません。
学校の休み時間、通学時間、待ち時間などを活用して勉強し、できるだけ家には宿題を持ち帰らないようにしましょう。
宿題を全て終わらせることは難しいかもしれませんが、すき間時間を有効に使えば自宅学習の時間を減らすことが可能です。
僕の教え子に、遠方からの登校で陸上にも一生懸命取り組む生徒がいました。
その生徒はすき間時間を有効に使って学年でトップクラスの成績を残し続け、東京大学に進学して今は自分のやりたかった仕事に就いています。
本気で部活と勉強を両立しようと思ったら、時間をつくりだすために「時間の使い方」を見直しましょう。
「できない」を「できる」に変える
部活と勉強を両立させるために意識して欲しいことが「PDCAサイクル」です。
Plan | 勉強の計画 | |
Do | 計画の実行 | 暗記、問題演習 |
Check | 確認 | 理解度のチェック |
Action | やりなおし |
部活と勉強を両立できていない中学生は「計画(P)→実行(D)」で終わっていることが多く、「計画(P)→実行(D)→確認(C)」までやれている中学生は少ないです。
PDCAサイクルを回して、「できない」を「できる」に変えましょう。
部活と勉強を両立できる中学生の親の特徴
部活と勉強を両立できる中学生の親の特徴は、次の2つです。
- 上から目線で話をしない
- 部活に協力的である
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
上から目線で話をしない
中学生は思春期を迎え、親と距離を取りたくなることが増えます。
そんな時に、上から目線で話をしてもなかなか聞き入れてはもらえません。
「宿題はしたの?」や「テストの結果は?」と聞こうものなら、「やろうと思っていた」や「うるさいから、勉強する気がなくなった」と言われる始末です。
甘やかしていけませんが、お子さんに寄り添うことを大事にしてください。
部活と勉強を両立できる中学生の親は、子どもの様子をよく観察しベストなタイミングで適切なアドバイスをしています。
また、部活と勉強を両立できる中学生の親は担任や部顧問、塾や家庭教師の先生と言った自分以外の大人からの協力を得るのも上手です。
中学生の場合、信頼する複数の大人が言っていることが共通していれば、素直に聞き入れてくれるようになります。
部活に協力的である

部活の顧問を20年近くしてきた経験から、部活と勉強を両立できる中学生の親は部活に協力的であるという印象を強く持っています。
ここでいう、協力的と言うのは保護者会の会長をするといったレベルの話ではありません。
試合や大会への送迎などの協力をしているという意味です。
どうして、部活と勉強を両立できる中学生の親は部活に協力的なのか…。
恐らく順番が逆です。部活に協力的だから、子どもは親に感謝するのだと思います。
僕の尊敬する指導者に生徒を伸ばすために一番大事な事は何かとたずねると、決まった答えが返って来ます。
「生徒をよーく見てあげること」です。
「指導法が一番大事」と思った方が多いのではないでしょうか?
でも、部活に最初から最後まで行き、生徒に声を掛けることが一番重要です。
考えてみたら、部活に協力的で練習試合に足しげく通う保護者のお子さんは部活と勉強を両立させることに長けているように感じます。
保護者が協力的だから、生徒もそれを力に変えて部活と勉強を両立させる努力を惜しまないのでしょう。
部活と勉強を両立させる方法
部活と勉強を両立させる方法は……
- 【STEP1】ムダな時間を無くす
- 【STEP2】部活と勉強を両立させるためのルールを決める
- 【STEP3】勉強することを明確にする
- 【STEP4】学習習慣を確立する
の4つのステップです。
僕は20年近い教員生活の中で、たくさんの中学生が「部活と勉強の両立に苦労する姿」を見てきました。
時間が無いのは全国の中学生全員の悩みでしょう。
時間が無い中、ムダな時間を省いたり、短時間で効果的な勉強方法を身につけた中学生だけが「部活と勉強の両立」を達成できています。
この記事が、お子さんの部活と勉強の両立に役立つことを祈っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。