復習にベストなタイミング「勉強できる中学生がやっている方法とは?」

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『復習は大事』

お子さんは、学校で毎日のように言われていることでしょう。

教員の立場からすると、復習をしないで好成績をあげるなんて到底無理と言わざるを得ません。

中学生は忙しいのですから、効率的に復習する方法をマスターできるかは定期テストの結果はもちろん、高校受験にも大きく影響します。

この記事では、復習にベストなタイミングが分かります。

以下、信頼性のため自己紹介します!

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目次

中学生の復習にベストなタイミング

中学生の復習にベストなタイミングは…

  1. 24時間以内に10分
  2. 1週間後に5分
  3. 1ヶ月後に2~4分

となります。

このように、最初の学習から間隔を広げながら3回の復習を行いましょう。

3回に分けて復習すれば、情報を脳にある海馬が「重要な記憶」だと認識するので長期記憶にすることができます。

それでは、中学生の勉強には復習が大事な理由から見ていきましょう。

中学生の勉強には復習が大事な理由

人は授業で説明を聞いた直後は理解したり暗記できていますが、すぐに忘れてしまいます。

定期テストで分かっているつもりで問題を解いたら、実際には理解不足で問題が解けなかったという経験をした保護者も多いはずです。

中学生の勉強の基本は「暗記」なので、勉強したことをきちんと覚えていなければ成績は伸びません。

中学生の勉強では、効率よく復習して知識を記憶として定着させることが大事になります。

かんたんに記憶できないのは当然

突然ですが、人が情報をかんたんに記憶できないのは当然のことです。

脳は新たな情報を海馬(かいば)と呼ばれる部分で、記憶すべきか否かを常に判断しながら情報を選択して記憶しています。

毎日僕たちは沢山の情報を目や耳から得ながら生活しています。スマホの中に保存できる写真には限界があるのと同じで、すべての情報を記憶しようとしても脳には限界値があるのでできないのは当然です。

では、効率よく記憶をするためにはどうすれば良いのかを説明していきます。

▼海馬や記憶力のアップの方法を詳しく解説した記事はこちら↓

エビングハウスの研究

「エビングハウスの忘却曲線」って聞いたことがありますか?

エビングハウスの忘却曲線は、19世紀のドイツの心理学者であるエビングハウスが時間と記憶の定着率の関係を発表した「記憶:実験心理学への貢献」の中に登場します。

「記憶:実験心理学への貢献」の内容を確認していきましょう。

実験方法

「記憶:実験心理学への貢献」の研究方法は次の内容でした。

  1. 「子音+母音+子音」の3音からなる、意味を持たない単語を2,300個ほど用意。
  2. 2,300個の無意味な単語の中から13個の単語を選び、暗唱しながらすべて暗記するまでの時間を計測。
  3. 20分・1時間・9時間・1日・2日・6日・31日の経過時間を置いたのちに再学習を行い、最初に学習したときにかかった「暗記時間」と比較。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの研究の結果は以下の通りです。

経過時間1回目の
暗記時間(秒)
復習の
暗記時間(秒)
節約率(%)
20分1,08149858.2
1時間1,10668144.2
9時間1,13285535.8
1日1,10975633.8
2日1,15485427.2
6日1,09083425.2
31日1,11589221.2

エビングハウスの研究を図で表わしたグラフが、「エビングハウスの忘却曲線」になります。

エビングハウスの忘却曲線には……

  • 1時間で44%(56%が定着していない)
  • 1か月後にはたったの21%(79%が定着していない)

という衝撃のデータが示されています。

注目すべきは節約率

ここで、もう一度エビングハウスの忘却曲線を見てみましょう。

横軸は「時間」で、縦軸に注目すると「節約率」と書かれています。

エビングハウスの忘却曲線は、記憶率を表した図だと思われがちですが、そうではありません。

エビングハウスの忘却曲線が表しているものは、時間経過による記憶率の変化ではなく「節約率」です。

縦軸に使用されている節約率の意味を正しく理解する必要があります。

節約率とは?

エビングハウスの忘却曲線の縦軸にある「節約率」は……

その知識を復習する場合「どのくらいの時間を節約できるか」を指しています。

経過時間1回目の
暗記時間(秒)
再学習の
暗記時間(秒)
節約率(%)
20分1,08149858.2
1時間1,10668144.2
9時間1,13285535.8
1日1,10975633.8
2日1,15485427.2
6日1,09083425.2
31日1,11589221.2

例えば、タク君が意味を持たない文字の羅列を10分で暗記したとします。

意味を持たない文字の羅列ですから、時間が経てばタク君は文字の羅列を忘れているでしょう。

意味を持たない文字の羅列を暗記してから1時間たった時点で、タク君が同じ文字の羅列を再び暗記するのにかかる時間を測ったら、5.6分しかかかりませんでした。

この場合、最初に暗記にかかった時間と1時間後に暗記にかかった時間の差(4.4分)が節約できた時間となります。これを割合に変換すると44%(4.4分÷10分×100)になるというわけです。

2度目の暗記のときには定着にかかる時間を節約でき、再学習までの間隔が短いほど早く暗記することができることが示されています。

どうすれば忘却を防げるのか

繰り返し暗記すれば次の図のような状況をつくり出すことができます。

青の点線が何もしなかった場合の忘却曲線で、復習を時間をおいて4回行った時の結果をオレンジ色で表わしています。

1回目よりも2回目、2回目よりも3回目…というように、繰り返し暗記をする度に忘却曲線は緩やかになっていることが分かるでしょう。

エビングハウスの研究から分かること

エビングハウスの研究を、まとめてみました。

  • 暗記する内容が意味のないものだと、すぐ忘れてしまう。
    ※暗記する時、自分にとって有益であったり、重要だと暗記しやすい。
  • 暗記した内容は、暗記した直後から失われ始める。
  • 1回目のより2回目以降の暗記の方が簡単。
  • 一気にインプットするよりも、間隔を空けて何度も暗記した方が忘れにくくなる。

ウォータールー大学の研究

エビングハウスの研究以外にも、面白い研究があるので紹介します。

ウォータールー大学の記憶率のグラフ

カナダにあるウォータールー大学は2013年に、1時間の講義を行い被験者の記憶量と復習による効果を下の図のようにグラフ化しました。

被験者は何も知らない状態なので、記憶率0%で講義に臨みます。

講義の終わった1日目には、内容すべてを記憶はしていませんが100%知っている状態です。

2日目になると、何もしないと緑の線のように講義の内容が貴人差はありますが50%~80%失われていきます。

2日目以降もどんどん記憶率は低下し、30日目には2%~3%の記憶率になっています。

ウォータールー大学の研究レポートによると、同じ情報が繰り返しインプットされると情報を「活性化」するのにかかる時間が短縮され、情報を取り出すのが簡単になると書かれています。

ウォータールー大学の研究から分かること

ウォータールー大学の研究をまとめました。

  • 講復習しないと、30日後にはほとんど忘れている
  • 24時間以内に10分の復習をすると、記憶が100%に戻る
  • 7日後に2回目の復習をすると、5分で記憶を取り戻せる
  • 1ヶ月後に3回目の復習をすると、2~4分で記憶を取り戻せる

復習に最適な教材

いきなりですが、学校の先生はどのような目的で宿題を出していると思いますか?

カバンを空けて、今日の宿題を見てください。

今日の宿題の内容は、今日の授業の復習ではないですか?

そうです、先生方は重要な部分を宿題にしています。

24時間以内に復習することが重要なことをお子さんに示しているのです。

なお、先生方は定期的に小テストや週末課題、定期テストなどで復習する機会を定期的に設けていることも忘れないでください。

宿題がノルマになってしまっていて、有効活用できていない生徒が本当に多いです。

今日から宿題にきちんと取り組み、定期テストの点数を伸ばしましょう。

中学生の復習にベストなタイミング

この記事で消化したエビングハウスの研究とウォータールー大学の研究には共通する原則が示されています。

学習内容を長期記憶にするためには「反復」が重要ということです。

人の記憶に関する研究はいろいろな研究機関で進んでおり、人の記憶に関する次のような重要な法則も発見されています。

  • 分散効果…再学習するたびに、再学習にかかる時間が短くなる
  • 過剰学習…再学習すると、情報を忘れにくくなる
  • 初頭効果…一番初めに暗記した情報は記憶に残りやすい
  • 新近効果…一番最後に暗記した情報は記憶に残りやすい

では、本題です。

中学生の復習にベストなタイミングは…

  1. 24時間以内に10分
  2. 1週間後に5分
  3. 1ヶ月後に2~4分

となります。

このように、最初の学習から間隔を広げながら3回の復習を行います。

3回に分けて復習すれば、情報を脳にある海馬が「重要な記憶」だと認識するので長期記憶にすることができます。

この記事が、お子さんが復習を行う際に役立てば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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