わが子が、勉強でやる気のない様子であの手この手でやる気を引き出そうとしてみたものの、うまく行かずに困っているという保護者からの相談を受けます。
お子さんが勉強のやる気が無い原因を考えてみると、そりゃそうだよなというものが多く、保護者はやる気アップどころか、やる気をなくすことを無意識に行っている場合も多いです。
この記事では、部活と勉強を両立させる方法を解説しています。
以下、信頼性のため自己紹介します!

勉強でやる気を出す7つの方法
勉強でやる気を出す方法は、次の7つです。
- 目標設定する
- ライバルと競い合う
- 成功体験を重ねる
- 勉強できる環境をつくる
- 家庭内のルールをつくる
- 勉強開始のルーティーンをつくる
- 休むときはしっかり休む
勉強は毎日コツコツ継続することが重要で、継続するためには「やる気」が欠かせません。
まずは、勉強をやる気が出ない原因からみていきましょう。
勉強をやる気が出ない原因

勉強をやる気が出ない原因は、次の5つです。
- 勉強する意味が分からない
- 勉強が分からない
- 勉強に集中できる環境が整っていない
- 誘惑物が気になる
- 疲れている
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
勉強する意味が分からない

勉強が将来、何の役に立つのか分からないとやる気が出るわけがないです。
そもそも高校進学の目的すら無い中学生が大学や就職の話をされても、イメージが湧くわけがありません。
「将来、◎◎になりたい」や「志望校に合格して、○○を勉強したい」というように、目標を持っていないと、勉強する意味を見出せないので勉強をやる気が出る方がおかしいです。
勉強は宿題のようにノルマをこなす事だけでなく、主体的に学ぶことがとても大切になります。
自分の目標達成をするために「どのくらい勉強が必要か」がハッキリすると、勉強に対するやる気が出てくるものです。
勉強が分からない

中学校の授業では、難易度アップはもちろんのこと、授業の進むスピードも大幅にアップします。
特に積み上げ型の教科である数学や英語は1度つまずいてしまうと、ドミノ式に分からない内容が増えていく厄介な面に注意が必要です。
授業はサッパリ分からず、定期テストでも赤点を取ってしまう。そんな状況でやる気が出る方がどうかしています。
また、もともと勉強する必要性を感じている中学生が、あるキッカケで勉強をしようと思いました。
やる気になって教科書を開いては見たものの、どこから勉強すればいいのか分かりません。
こうなってしまっては、せっかく生まれたやる気も無くなるのは当然です。
勉強に集中できる環境が整っていない
勉強に集中できる環境が整っていない場合も、やる気が出ない原因になってしまいます。
勉強に集中できる環境が整っていない状況でよくあるのが、次の3つです。
- 机の上が散らかっている
- 周囲がうるさい
- 室温が適切じゃない
それぞれの状況を解消するためには、片付けをする必要があったり、図書館へ移動する必要なあるなどワンアクション必要になるので、やる気が低下します。
誘惑物が気になる
スマホやゲームなど、中学生の周りには魅力的で誘惑するアイテムがたくさんあります。
誘惑物に手を出したら最後、なかなかやめられないのが人間です。
誘惑物が視界の中にある状況では、気になって勉強のやる気が出るはずがありません。
とにかく疲れている

中学生の学校生活は毎日大忙しです。部活による疲労もたまっていきます。
帰宅後に「疲れていて、勉強なんてできるわけがない!」ということもあるでしょう。
部活で疲労がたまる以外にも、友人関係のトラブルで精神的に疲れていることもありますし、部活で上級生になると神経をすり減らすことも増えます。
疲れていると、なかなか勉強をやる気にはなれません。
勉強でやる気を出す7つの方法
勉強のやる気が出ない原因が分かったので、その原因を排除することをやって行けば勉強をやる気が出てきそうです。
勉強でやる気を出す方法は、次の7つです。
- 目標設定する
- ライバルと競い合う
- 成功体験を重ねる
- 勉強できる環境をつくる
- 家庭内のルールをつくる
- 勉強開始のルーティーンをつくる
- 休むときはしっかり休む
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
目標設定する
勉強でやる気を出すために真っ先にするべきことは「目標設定」です。
目標設定をするときに最悪なのが「一生懸命がんばる!」というように抽象的に目標設定することになります。
中学生の目標設定は「定期テストで全教科10点アップ」や「定期テストで学年で30番に内に入る」などが考えられますが、おすすめの目標設定は「志望校を決める」ことです。
具体的に志望校が決まると必要な学力が明確になるので、高校受験にまでの定期テストや模試の目標設定につながり、やる気アップにつながります。
ライバルと競い合う

勉強をやる気になっている中学生を見ていると、ライバルがいることが多いのに気づきます。
定期テストの点数を競うライバルの存在のいる中学生は勉強に対するやる気が高いです。
ライバルの条件は2つあります。
1つ目はできるだけ学力差がないライバルを見つけることです。あまりに差が大きいと競り合えないので、やる気がアップしません。
2つ目は期間限定のライバルは避けることになります。定期テストの前だけ勉強するライバルではなく、毎日の宿題の提出をきちんとしているなど日常から勉強に対する姿勢でも競いあえるライバルを見つけましょう。
成功体験を重ねる
勉強のやる気がない中学生は勉強に対する自信を失っている場合が多いです。
失った自信を取り戻すには、成功体験を重ねる必要があります。
かんたんな問題からはじめて、「できた!」という成功体験で自信を深めましょう。
自信がついてくれば、勉強にやる気を持って取り組むことが出来るようになり、結果がでるようになると、さらにやる気がの向上につながります。
勉強できる環境をつくる

勉強でやる気を出すためには、勉強できる環境をつくることが大切です。
基本的には勉強する場所は決めてください。
また、勉強する環境づくりでは、次の2点を押さえましょう。
- 勉強に関係のないものが視界に入らないようにする
- 室温を22~23℃、湿度50%を保つ
机周りに気が散るものを置かないことは、勉強でやる気を出すための最低条件です。
休憩をとるときは、リビングで一息つくなど、あえて場所を変えることでリフレッシュすると良いでしょう。
もしも家で勉強できない場合は、図書館を利用するのがおすすめです。図書館なら、2つの条件をクリアした理想の環境で勉強することが出来ます。
家庭内のルールをつくる

ゲームやスマホといった誘惑物が原因で勉強のやる気が出ない場合は「家庭内のルール」をつくりましょう。
中学生ですから、ゲームやスマホを禁止にしても反発したり、隠れて触ろうとするので勉強のやる気を出す方法として効果的ではありません。
例えば、家庭内のルールを次のように決めます。
- 毎日勉強の間は誘惑物は親が管理する。
- 勉強が終わったら1時間だけOKにする。
- 定期テスト前は必要最低限の使用にする。
- 定期テストが終わった後の1週間は毎日2時間OKにする。
というようにルールを決めることで、誘惑物と上手に付き合う方法を探りましょう。
家庭内のルールを決めるときのポイントも確認しておきます。
- 子ども自身にルールを決めさせる。
- ルールはキッチリ守らせる。
の2つです。
自分自身でルールを決めれば、ルールを破りにくくなります。
また、キリが悪いからあと少しだけ…というようなルール違反には心を鬼にして対処してください。
当然ですが、親自身が子どもの前でゲームやスマホをしている状況では説得力が無いので、お子さんの前では我慢してください。
勉強開始のルーティーンをつくる
勉強でやる気を出すための大きなハードルが「勉強を始めるタイミング」です。
人間ですから、勉強をしたくないという気分の日も必ずあります。
まずは10分で良いので、机に向かって勉強をすることが大事です。
勉強を始めるタイミングを毎日決まった時間にするベストな方法がこれをしたら、必ず勉強するというルーティーンを決める方法になります。
僕は家で勉強を始める前に「お気に入りの曲を聴く」という方法を実践しています。勉強するスイッチを入れるために毎回お気に入りの曲を聞いてから勉強するようにしています。
ルーティーンを決めると、とりあえず勉強を始めることになり、気づけば1時間経っていたということも珍しくありません。
勉強しているうちにやる気は出てくることが多いので、まずは勉強を始めることを意識しましょう。
休むときはしっかり休む

学校生活で極端に疲れているときは、その日の宿題など最低限の勉強は済ませる必要はありますが、終わったら思い切って休むことも考えましょう。
毎日コツコツ勉強することは大事ですが、体調が悪い中勉強を頑張っても効果的ではありません。
体調を崩して学校を休むことになれば、授業を受けられないので大きな代償を払う羽目になります。
気分が乗らないときは、好きなことをやるのも大事です。
悶々とした気分で勉強に取り組んでも、やはり勉強に対するやる気は出ませんし、効果的な学習はできません。
疲れが取れたり、好きなことをして気分がリフレッシュできたら勉強に対するやる気も回復してくることが多いです。
親が子供のやる気を出させる方法
親が子供のやる気を出させる方法は、次の2つになります。
- 過程をホメる
- ポジティブな言葉をかける
- ご褒美で頑張りを認める
それぞれ確認していきましょう。
過程をホメる

中学生はホメられるとやる気がアップします。
思春期の中学生は、表面上は喜びを表に出さないかも知れませんが喜んでいるはずです。
良い結果が出たのであれば、結果をホメることで勉強をやる気がさらにアップすると思います。
勉強のやる気が出ない中学生に対しては、点数や順位ではなく「過程」をホメることが大事です。
前回の定期テストよりも少しでも頑張れたところがあればホメてあげましょう。
「点数」より「過程」を評価すれば、良かった部分はさらに良く・悪かった部分は次回に生かすことで勉強法がどんどん磨かれます。
ホメられると、「自分のことを見てくれている」と感じるので次回もテスト勉強を頑張ってみようかなと考えるようになります。
勉強のやる気は、かんたんにはアップしません。焦らず、じっくりとやる気を育ててあげましょう。
ポジティブな言葉をかける
これから勉強を頑張るぞ!
→「あなたには、どうせ無理だよ」
〇〇を、やってみたい!
→「失敗するに決まっている!」
こんな風に、上を目指そうとする向上心を潰す人のことをドリームキラーと言います。
ドリームキラーがそばにいたら、勉強をやる気がなくなるのは当然です。
また、勉強をやる気が無い中学生は「どうせ」、「でも」、「だって」という否定的な言葉を使いがちです。
大人がネガティブな言葉を使っていることが、子どもが否定的な言葉を使う原因になっているかもしれません。
言葉を発するときには、息も同時に吐き出します。息という漢字は「自分の心」と読み変えられます。
話す言葉は「心の姿そのもの」をあらわすので『パワー』が宿り、ポジティブな言葉を使い続けることは良い意味で自分自身をだますことになり、自分自身を乗せる効果を生み出します。
それだけのパワーが言葉にはあるということを自覚し、ポジティブな言葉を使うようにしましょう。
ご褒美で頑張りを認める
ご褒美=プレゼントではありません。
英語のテストで100点とったら、〇〇を買ってもらえるというご褒美は、短期的には効果を発揮するかもしれませんが、勉強をやる気にすることにはつながりません。
ホメ方のところで書いた通り、「過程」を評価することがやる気につながると考えましょう。
ご褒美ありきのやる気アップではなく、努力の過程に対するご褒美なら短髪ではなく、やる気をキープすることにつながります。
親から頑張りを認められば、子どものやる気は大幅にアップするはずです。
子どもがやる気を失う原因になる親の行動
子どもがやる気を失う原因になる親の行動は、次の6つになります。
- 成績に興味を持たない
- 勉強する意味を伝えていない
- 一方的に怒る
- 叱り方が下手
- 他人と比べる
- 人前で子どもを悪く言う
それぞれ見ていきましょう。
成績に興味を持たない
親が成績に興味がない場合は、子どもは「成績はどうでもいいこと」と考えるようになります。
何かのキッカケで勉強をやる気になっても、がんばっていることに興味を示されなければ、やる気は失われます。
僕は帰宅後に生徒にお弁当を親に渡すときに、「ごちそうさま」と感謝しなさいと話します。
「してもらって当然」ではなく、ありがとうが親の「作ってよかったな」や「もっとがんばって作ろう」という気持ちにつながると思います。
「中学生なのだから、自分で勉強して当然」
という理由で、勉強や成績に無関心になるのはお子さんにとって絶対によくありません。
勉強する意味を伝えていない
勉強する意味をきちんと伝えている保護者は少ないのではないでしょうか?
勉強していると大抵のていのお子さんは「勉強って何のためにしているのかな」と考え始めます。
そんな時に、「とにかく勉強しなさい」と言うのか。それとも「勉強の大切さ」をきちんと伝えられるかは大きいと思います。
とはいうものの、勉強をする意味は簡単には説明できません。なぜなら、人によって目標や夢はそれぞれ違うものだからです。
そんなときは「勉強にどんな意味があるのか」を一緒に考えればいいと思います。
反面教師的なアドバイスだけでなく、勉強することで得られる未来を想像してあげることも勉強する意味を伝える方法の1つだと思います。
一方的に怒る

「勉強しなさい」と頭ごなしに言うことも、子どもがやる気を失う原因になります。
確かに勉強していないように見えるかもしれませんが、勉強のやる気が出ない原因があるかも知れません。
- 勉強する意味が分からない
- 勉強が分からない
- 勉強に集中できる環境が整っていない
- 誘惑物が気になる
- 疲れている
というように、原因を解消しないと問題が解決しない中、一方的に怒られたら…やる気はもっと無くなっていくでしょう。
子どもの意見を聞かずに一方的に怒ったことが原因で、子どもからの信頼を失った保護者をたくさん見てきました。
色々と言いたいことがあるのは分かりますが、グッと抑えて、まずは子どもの話を聞くことに集中しましょう。
叱り方が下手
「勉強しなさい!」は成績の良し悪しに関わらず、全ての保護者に共通するフレーズです。僕自身、生徒に同じことを何度言ったか分かりません。
叱ることは必要で、𠮟り方が重要です。よく、長時間叱る保護者がいます。くどくど何度も同じことをループしながら叱っていますが、子どもはまったく聞いてません。
「なんでできないんだ!」「結果が全てだ!」と上司から長時間怒られて、やる気になりますか?
では、どのように叱るのか。ポイントは2つです。
𠮟るのは一瞬
成績がいい中学生に聞くと、親は叱るのは一瞬。終わったらすぐ切り替えて、次はがんばれと言うそうです。
同じ視点から、罰を与えすぎるのもよくないです。
成績が悪いからスマホやゲームを取り上げるのは、中学生から反発を生みます。約束を自分で決めて守らせるのがベストな方法になります。
過去を持ち出さない
これは教員あるあるでもあるのですが、叱る際に過去のことを持ち出す先生がいます。
あのときは…というように、過去の失敗を持ち出されると子どもは「またか…」と思って話を聞くのをやめます。当然、やる気は一気に低下します。
過去のことと今日のことは持ち出さずに、一瞬で終わらせましょう。
今日から叱り方を変えてみてください。お子さんの目が変わります。
他人と比べる
保護者がやってしまいがちなのが「他人と比べること」です。
実際、仕事をしていて〇〇さんと比べて…なんて言われたらどんな気持ちになりますか?
お子さんも、友だちや兄弟と比べられたら、やる気がなくなるのも当然でしょう。
お子さんを他人と比べる場合、お子さんよりも成績の良い人と比べることが多いはずです。
その結果、他人と比べられることによってお子さんは自信をなくすパターンが多くなります。
自信を無くせば、勉強に対する「やる気」がダウンするのは言うまでもありません。
人前で子どもを悪く言う
学校では生徒と保護者を呼んでの3者面談を実施します。
すると……
「うちの子は中学生のくせに全然勉強しなくて…」
と保護者は平気で子どもの前で話をします。
謙遜のつもりでも、お子さんを大きく傷つけます。
僕は生徒の良い面を褒めます。すると、翌日には褒められた部分をもっと磨こうと努力する…それが中学生のかわいいところです。
信頼関係がないと、アドバイスも聞き入れてもらえません。
勉強でやる気を出す7つの方法
勉強でやる気を出す方法は、次の7つになります。
- 目標設定する
- ライバルと競い合う
- 成功体験を重ねる
- 勉強できる環境をつくる
- 家庭内のルールをつくる
- 勉強開始のルーティーンをつくる
- 休むときはしっかり休む
やる気になるためには、目標設定や環境づくりが必要です。
やる気の出ない原因には、自信が無いからという側面も大きいので「できた!」という成功体験をすることで自信を深めると、やる気がどんどん湧いてくるようになります。
努力が報われないことでやる気が無くなることが多いということは、裏を返せば努力が報われて結果ががついてくれば勉強することが楽しくなってくるとも言えるでしょう。
自力でのやる気アップが難しいのであれば、ライバルと競い合うのも良い方法です。
この記事が、お子さんのやる気アップに役立つことを祈っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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