僕は新年度が始まって自分のクラスの生徒と初めて会うHRや入学式で必ず話すことがあります。
それは、「いじめはどんな理由があっても許さない」ということです。
これまでたくさんの中学生と接してきましたが、毎年必ずいじめに関する相談が保護者から来ます。
毎年、必ずいじめに関する対応をする機会が訪れます。
これからも残念ながらゼロにはならないいじめの問題。
「いじめが起きる原因とは?」
「どうして、いじめが増えているの?」
教育現場にいる現役の教員が、中学生がいじめられる原因を説明します。
以下、信頼性のため自己紹介します!

いじめられやすい生徒の特徴
昔は、いじめる生徒も問題。でも「いじめられる生徒にも問題がある」と言う時代がありました。
しかし、いじめる生徒が100%悪いです。
いじめられる生徒の特徴は…
- 大人しい性格である
- 目立つ要素を持っている
- コミュニケーションを取るのが苦手
の3つになります。
まずは、いじめの定義からみていきましょう。
いじめとは【定義】
まず、どんな状態を「いじめ」と言うのかを確認しましょう。
いじめ防止対策推進法の施行によって、平成25年からいじめは次のように定義されています。
「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
引用:いじめの定義の変遷(文部科学省)
「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが重要なものや、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。これらについては、教育的な配慮や被害者の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通報の上、警察と連携した対応を取ることが必要である。
このように明確な定義が文部科学省から出されるほど、いじめの問題が注目されるようになったのはなぜでしょうか。
いじめがエスカレートして犯罪行為となるケースが増えてきたことが大きな原因です。
※ニュースでいじめがエスカレートして起こった事件を見たことがあるはずです。
実際に僕の務める学校でも「生徒の生命に重大な被害が生じる前に、警察に相談する機会」がこれまでに何度か起こっています。10年前まではそんなことは、まったくありませんでした。
信じられない話かもしれませんが、警察への通報によっていじめから生じた事件として検挙や補導が行われるのを目の当たりにしてきました。
いじめの現状
文部科学省の令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(以下:文部科学省の調査)によると・・・
令和2年度の中学校におけるいじめの認知件数は80,877件でした。
文部科学省の調査は毎年行われており、平成26年度以降は認知件数の増加が続いていましたが令和2年度は減少しました。
その理由は「新型コロナウイルス感染症の影響で生徒の間の物理的な距離が広がったこと」や「学校行事や部活動など様々な活動が制限されたこと」だと考えられます。
ここで安心してはいけません。
文部科学省の調査によると、いじめを認知した学校数は全国で8,485校に及びます。
これをパーセントで表すと、なんと全体の82.2%になるんです。
いじめの認知件数を学年別で調べてみました。
年度 | 中1 | 中2 | 中3 |
---|---|---|---|
H30 | 50,259 | 32,159 | 15,829 |
R1 | 55,405 | 34,352 | 17,341 |
R2 | 42,999 | 25,987 | 12,397 |
中学1年生が一番、危険な時期だということが数字に表れています。
次に、いじめの認知数を中学校の総数で割ると「7.8」という数字が求められます。
そんなに単純な話ではありませんが、1校当たり平均して7.8件のいじめを学校が認知しているということです。
これ、ヤバくないですか?
ちなみにですが、これは学校が認知している数ですからね。
実際は、この倍以上のいじめが学校の内外で起こっていると断言します。
自分のお子さんには関係ない・・・なんて思ったら大間違いです!
いじめの解消率
いじめの認知件数が非常に多いことが確認できましたが、次はどれだけ解消できているかが気になるところです。
解消の状況も文部科学省の調査に示されているので、ここで紹介します。
状況 | 件数 | 割合(%) |
---|---|---|
解消済み | 62,226 | 76.9 |
解消に向けて取組中 | 18,523 | 22.9 |
その他 | 128 | 0.2 |
計 | 80,877 |
この結果を見て、どう思うでしょうか。
4分の3以上のいじめが解消していることをポジティブに捉える人もいるでしょう。
僕も教育者の1人として、この数字は評価されるべきだと思います。
しかし、やはり2割以上のいじめが解消に至っていないという点から目をそらしてはいけないと思います。
先生もいじめの解決に向けて努力しているんです。でもすべてをきれいに元通り・・・というわけにはいかないのが現実です。
いじめの重大事態
最後に、いじめがエスカレートして重大化したケースについても文部科学省の調査で示されています。
令和2年度のいじめによる重大事態が発生した中学校の校数は222校に上ります。
重大事件の発生件数は230件でした。
重大事件の発生件数230件のうち、いじめにより学校の欠席を余儀なくされた疑いがあると認められる件数が155件起こっています。
では、残りの109件はというと・・・
いじめにより生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認められる件数なんです。
恐ろしいと思いませんか?僕は現場にいる身として、素直に恐怖を覚えます。
中学生がいじめられる原因
いじめは「いじめる生徒」と「いじめられる生徒」だけの関わりだと思っていませんか?
それは、間違いです。
- いじめる生徒
- いじめられる生徒
- 観衆(はやしたてたり、おもしろがったりして見ている生徒)
- 傍観者(見て見ない振りをする生徒)
いじめの持続や拡大には、いじめる生徒といじめられる生徒以外の「観衆」や「傍観者」の立場にいる生徒が大きく影響しているんです。
【観衆】
直接手は出さず、いじめを積極的にはやしたてたり、おもしろがったりして見ている生徒のことです。観衆がいじめを積極的に肯定するので、いじめる生徒は観衆にいじめ行為を認められたと思い込み、いじめをエスカレートさせます。
【傍観者】
いじめに巻き込まれたくない・次のターゲットになりたくないという感情から見て見ぬ振りをする生徒のことです。傍観者はいじめを暗黙的に支持してしまうので、いじめる生徒もいじめを悪いことだと考えることなく、継続してしまうんです。
観衆や傍観者がいじめに否定的な姿勢を取らないので、先生や保護者が異変に気付く可能性が低くなることも多いです。慣習や傍観者の存在は非常に厄介です。
ここでは・・・
- SNSにひそむ原因
- 学校にひそむ原因
- 家庭にひそむ原因
という3つのいじめの原因の話をしたいと思います。
子どもを持つ保護者の方には、心当たりがないかをチェックしてもらいたいと思います。
SNSにひそむ原因
中学生は多感で、思春期を迎えるなど心身ともに大きく変化が生まれる時期を過ごします。
小学校時代にはなかった厳しい校則に縛られてしまうことや、中学3年生になって受験生になるなど道の経験を多く積むことになります。これまでになかったプレッシャーから生じるストレスを抱えてしまいます。
中学生ならではのプレッシャーを感じたのは保護者も同じはず。
また、中学生になると正しいことをしていたとしても、周りと違う行動だと「悪」と見なされるようになります。つまり、多くの中学生は周りと同じでないと安心できない、目立ちたくないと思うようになるんです。
その影響からか、最近のいじめは「面倒なことに巻き込まれたくない」と考える傍観者が多いという特徴を持っています。
保護者が中学生だったときと現代の中学生を比べたときに大きく変わった点と言えば、「SNSの存在」です。
僕たちが中学生の頃は、携帯電話を持つ中学生なんてめったに見かけませんでした。
今はインターネットやモバイル機器が発達して便利な社会になったなぁと、中学生を見てうらやましく思います笑
しかし、モバイル機器を長時間使用することで睡眠不足や脳が休まる時間の減少が起こり、大きなストレスを抱えている中学生が多くなりました。
また、使用方法に関するモラル教育などが徹底できているとはいいがたい状況で、中学生へのスマートフォンの普及によって『SNS上のいじめ』が急増しています。
SNSでは、その匿名性から安易に誹謗中傷がなされるようになり、簡単に被害者を生み出すことが社会問題になっています。
学校にひそむ原因
学校でいじめが起きてしまう原因は、ハッキリしています。
先生の目が行き届かない時間が多いからです。
生徒間のトラブルやいじめが起こる時間帯は、「休み時間」と「昼休み」が圧倒的に多いんです。
平成28年度に実施された、大津市いじめの防止に関する行動計画モニタリングに係るアンケート調査結果によると・・・
中学生のいじめが起こる時間として最も高いのは「休み時間」で42.4%。「昼休み」は2番目に多い41.2%となっています。
他には移動教室の移動中、放課後の部活の前後(着替える時間)も同じように危険な時間帯と言えます。
僕は時間があれば、職員室を出て教室の様子を見に行くようにしていますが完璧に生徒を見守れているかと言われると正直できていません。
先生も忙しい中、授業前にできるだけ早く教室に行くなど努力はしているんです。でも、できる時とできないときが絶対にあるんです。
先生のいじめに対する指導力も問題視されることがありますが、最近のいじめは陰湿なものが多いので先生に完璧を求めるのは酷というものでしょう。新任の先生ならなおさら経験が無いので、難しいと言わざるを得ません。
また、教員として考えるいじめが起きる原因を挙げておきます。
中学校には小学校から指導要録という生徒の性格などが記された資料が引き継がれます。
また、入学の際や進級の際には生徒に関する留意点を書いた書類の提出を求められるはずです。
ところが、結構な割合で引継ぎや情報の共有が上手く行きません。引継ぎや共有がうまくいかないせいで、生徒の把握が難しい状況が増えています。
個人情報を守る観点から、生徒に不利な情報を聞きにくいご時世になっているのです。
当然ながら、生徒の性格は様々です。過去の生活状況も多種多様です。
生徒の性格や特性、過去のトラブルを知ることで対応できる幅が増えます。例えば席替えをする際には、人間関係を考慮することも可能になります。
だから、中1よりも中2、中2より中3はいじめが減っていくわけです。
家庭にひそむ原因
中学生のいじめの原因は、家庭環境からの影響がとても大きいと思っています。
例えば・・・
「○○ちゃんはできているんだから、あなたもできるはず」
こんなこと言われたら、どう思いますか?
結構な確率で、無意識のうちに同級生と比較して否定的なことを言っていたりしませんか?
他にも、いじめで悩んでいるお子さんが、いじめられていることを相談しやすい雰囲気ができていますか?
「人に迷惑をかけてはいけないよ」
と言われ続けた生徒が保護者に相談できず、自分だけで解決しようするパターンはかなり多いです。
最終的に我慢するしかなくなり、どんどん追い詰められていきます。周囲の大人が気付いた時には、どうしようもない状況になっていたということも珍しくありません。
理不尽なルールが多かったり、保護者が口うるさく指摘しすぎる環境では、子どもがストレスを感じることが多くなります。
きちんと子供に向き合って、本人が納得するルールで生活を送るようにすれば保護者のストレスも減っていくはずです。
中学生にとって、学校は楽しいのが理想です。では中学生にとっての自宅は?
帰宅後にリラックスできる場所であることが望ましいと考えます。
いじめる生徒の特徴
いじめは子ども性格や相性、子どもの育ってきた環境など複雑な要素が絡み合って発生します。
長年、教育の現場で中学生と接してきた経験から「いじめる生徒の特徴」をまとめてみました。
- ストレスを感じている
- 負けず嫌いな性格をしている
- ちょっかいを出すことに快感を感じる
特徴を3つ挙げたので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
ストレスを感じている
いじめが起こるときに、いじめる生徒が抱えている感情ってどんなものか想像してください。
きっと「イライラ」だったり「モヤモヤ」した感情のはずです。
イライラという感情はストレスから生まれる感情です。多くの保護者が仕事などでストレスによってイライラした経験があるはずです。
いじめる生徒は「いじめをする」ことで、ストレスから生じたイライラを解消していることが多いです。
未熟な中学生ですから、イライラをコントロールができないのは当たり前です。ストレスの多い環境では、いじめが起きやすくなるのも当然と言えます。
では、なぜ中学生がストレスを持つようになるのでしょうか。
僕の経験上、保護者が子どもに無関心だったり、逆に過度な期待をかけると生徒は大きなストレスを抱えることが多いと感じます。
負けず嫌いな性格をしている
学校には、色々な性格の生徒が通ってきます。
いじめる生徒ってどんな性格をしているのでしょうか?
怒りっぽかったり、気が短いといじめをしそうですよね。それは否定しませんが、いじめる生徒の性格には共通点が見られます。
それは、『負けず嫌い』です。
いじめる生徒の多くは、プライドが高くて常に自分が一番になりたいと思っています。
また、他人が気になってしまい、周りの大人から認めてもらいたいという承認欲求が強い場合が多いです。
プライドが高く承認欲求が強い生徒は友達に対して羨ましいという感情を抱きやすく、悪口を言ったり暴力によってマウントを取ろうとしてしまうんです。
「負けず嫌い」は普段から比較されて育てられてきた、テストの点数で親の機嫌が変わるなどの問題を抱えた家庭の生徒に多く見られる特徴です。
ちょっかいを出すことに快感を感じる
この数年、学校現場での体罰問題が大きく取り上げられるようになりました。
もちろん、体罰自体が問題です。体罰問題では、実はさらに大きな問題が発生します。それは、体罰が行われると「いじめが起こる確率が高くなる」ということです。
体罰が日常的に行われるのを観たり、抑圧的な指導を受けた生徒はどう思うか想像すれば分かるはずです。
当然ながら、「暴力をふるってよい」という意識を持つようになります。
多くはありませんが、保護者から暴力を受けている生徒は「暴力が問題解決に有効な手段」だと信じ込んでいる場合もあります。
また、大人がいじめを見て見ぬふりをしたり、「いじめられる側も悪い」という対応を取ったりすることも非常に危険です。
大人の態度をみて、中学生は行動の善悪を判断しているということを改めて認識すべきです。
基本的に中学生に質問すると、『いじめや暴力=悪いこと』という認識を持っています。
ところが、いじめた生徒に、いじめた理由を尋ねると「ふざけていました」などと答えることが多いです。
いじめる生徒にはいじめているつもりが全くなくても、からかわれたり、いじりが毎日繰り返されたらどう感じるでしょうか。
周りもいじめに加担するようになり、どんどんエスカレートしていった結果、いじめられる生徒はいじめられていると感じるようになるというわけです。
冗談半分でちょっかいを出しただけ。先生や保護者も同じようなことしてるじゃないか。
いじめる生徒からしたら、自覚することなくいじめをする環境になっています。
いじめられやすい生徒の特徴を詳しく解説
昔は、いじめる生徒も問題。でも「いじめられる生徒にも問題がある」と言う時代がありました。
しかし、いじめる生徒が100%悪いです。
いじめられる生徒を少しでも減らしたいという思いから、「いじめられる生徒の特徴」をまとめてみました。
- 大人しい性格である
- 目立つ要素を持っている
- コミュニケーションを取るのが苦手
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大人しい性格である
いじめる生徒は適当にターゲットを決めているわけではありません。
今も昔も変わらず、大人しく性格の生徒がいじめの標的になりやすいです。
性格的な部分以外では、「体が小さい」「力が弱い」という要素を持った生徒がいじめの標的になることが多いです。
いじめる生徒が1人でいじめをするケースは本当に稀で、グループを組んでいじめに及ぶことが多いです。グループを組んでいじめに及ぶ理由は「反撃が怖いから」です。
「反撃をしてくる可能性の低い生徒=大人しい性格の生徒」となるわけです。だから、いじめられる生徒にはおとなしい性格の生徒が多いわけです。
ここで、教員としてのアドバイスを2つ。
先にも書きましたが、先生は家庭からの申し送りをもとに生徒の把握をします。ですから、気になることや性格的に配慮をお願いしたいことは必ず知らせて共有するようにしましょう。
特に、小学校から中学校に進級するタイミングや担任が変わる際に情報を共有することでいじめの半分以上を未然に防ぐことができると思います。
いじめが起こってから、「実は・・・」と言われた経験が非常に多いんです。教員としてのお願いでもあります。
また、連帯責任制の指導を用いる先生がいないかは必ず注意しましょう。
宿題などの提出物を、個別でなくグループやクラス全員に連帯責任を負わせるケースがあります。
提出物を出さない生徒に頑張って欲しいという気持ちもありますが、連帯責任制では出来ていない生徒が必要以上に責められる危険性をはらんでいます。
先生にも考えがあってのことですが、指導方法について気になったら面倒だと思わずに確認しておくことをおすすめします。
目立つ要素を持っている
いじめられる生徒は多くの場合、何かしらの目立つ要素を持っています。
中学生がグループ行動を取りたがるのは、自分が人と違うことを目立たないようにするためです。
グループ行動をすることで、いじめられるリスクを下げようとしているんです。
大人から見ると「目立つ要素がある=個性がある」ということなので、ステキなことだと思うのですが・・・。
中学生の視点では「普通と違う」ことが個性と受け止められません。
それどころか、人と違うことを嫌ったり恐れたりする現代の子どもにとっては「目立つ要素=変な要素」と捉えてしまいます。
では、目立つ特徴とは具体的にどのようなものか見ていきましょう。
身体的な特徴
これは昔から言われ続けている要素ですね。
- 太っている・やせている
- 背が高い・低い
- 顔の特徴(目が大きい/鼻が大きい)
といったものが代表的です。
身体的な特徴は決して悪いことではありません。身体的な特徴は生まれながらにして両親から与えられたものですし、変えることができない要素です。身体的な特徴をいじめの要素にするのは最低です。
しかし、残念ながら精神的に未熟な中学生には身体的な特徴が、「自分とは違う・自分より劣っている」と映ってしまうことがあるんです。
身だしなみ
学校でいじめられる生徒の身だしなみに原因がある場合があります。
- 不潔
- 汚い服装
不潔な中学生や汚い服装の中学生は嫌われてしまいます。これは中学生に限った話ではなく、社会に出たらどこでも共通する考え方でしょう。
しかしながら、大人になると精神的に成長するので背景を察するなどの対応ができるようになります。ですから、大人な対応をすることで問題化しないことが多いです。
一方で、中学生はまだまだ精神的に未熟です。不潔だったり、汚い服装のように嫌われる要素に対しいて大人のように対応ができません。
ダイレクトに「嫌われる要素→いじめられる原因」となってしまいます。
家庭の事情もあるので簡単に解決できる問題ではありませんが、気を配ることで対応できる部分であると思います。
独特な言動
独特な言動をすることで目立ってしまい、独特な言動がいじめにつながるケースもあります。
- 走り方が変わっている
- 話し言葉に癖がある
- 斜視である
独特な行動が笑いのネタにできるくらいの性格の持ち主なら良いのですが、いじめられる生徒に関しては大人しい性格の持ち主の可能性もあるので非常に難しい問題になります。
本人も無意識に行っている言動を修正することはかなり難しいですし、そもそも修正することは生徒の個性を摘んでしまうことにもなりかねません。
周囲と違う行動をとったり、空気が読めないという印象を周囲に持たれる前に、学校や担任に相談して先手を打つことが非常に大事です。
能力に関わる要素
学校でいじめられる生徒の能力に関わる要素として、いじめの原因の代表的なものが次の2つです。
- 勉強が苦手
- スポーツが苦手
いじめる中学生の特徴でも話した通り、負けず嫌いな中学生は勉強やスポーツなど自分が得意なことで苦手な生徒からマウントを取ろうとしがちです。
勉強やスポーツがうまくない生徒を自分より下と見てしまうようになると・・・
「あいつは自分より下だからいじめてもいい」
というように、いじめのターゲットとして捉えるようになってしまうわけです。
マウントが原因のいじめですが、特に女子に多い印象が強いです。
最後に、注意点を1つ。
成績が悪い、スポーツが下手などの「できないこと・苦手なこと」がいじめられる要素になりやすいことが分かったでしょう。
実は、反対に成績が高いなどの「できること・得意なこと」もいじめられる要素となることを知っておいてください。
繰り返しになりますが、中学生は自分の得意なことでマウントを取りたくてたまりません。だから、自分より上手な存在が現れたら羨んだり、「何で自分よりもあいつの方が…」と妬む気持ちが湧いてきます。
この妬みが行き過ぎると、自分がマウントを取るために相手を貶めようという発想になってしまいます。よく聞く「あいつ、最近調子に乗ってる」というやつです。
多くの場合は、できないことがいじめの要素になりますが、できることもいじめの要素になり得ることは忘れてはいけません。
家族が有名人だったり、裕福な家庭の生徒は特に目をつけられやすいです。
どの中学生でも、明日には突然いじめに巻き込まれる可能性があるということを忘れてはいけません。
コミュニケーションを取るのが苦手
中学校にはさまざまなタイプの生徒がいます。
最近はコミュニケーションを取るのが苦手な生徒の増加が気になっています。
とはいえ、中学校では小学校の時よりも行事に生徒が主体的に取り組む機会が増えます。
クラスでのグループ活動も増えますし、部活という新しいコミュニティへの参加も始まります。
そんな中、クラスや部活の「雰囲気」を捉えるのが苦手で、周囲に合わせられない中学生が必ず出てきます。
クラスメイトや先輩に話しかけることを避けるうちに孤立化してしまうケースは本当に多いんです。
こういったケースは、ケアを怠るといじめに発展することがあります。
特に「みんなに合わせるのが当たり前」という環境では、「周囲に合わせるのが苦手な子ども」はいじめられやすくなると言えます。
いじめられやすい生徒の特徴
いじめられやすい生徒の特徴は次の3つです。
- 大人しい性格である
- 目立つ要素を持っている
- コミュニケーションを取るのが苦手
どうしてもおとなしいと、いじめのターゲットになりやすいです。
性格的な部分を変えるのは難しいですが、事前に担任にお子さんの大人しい性格を伝えて、注意してみておくようにお願いしておくだけでも大きく変わってきます。
また、目立つ要素を持っている生徒も目を付けられやすいです。
近年は学校のいじめに対するスタンスも評価されるようになってきているので、学校側もいじめ対策に力を入れるようになっています。
学校にきちんと相談したり、異変があれば連絡をもらえる体制を整えておくことが重要です。
また、思春期の中学生には「調子に乗っている」という理由で、嫌がらせをするパターンも見られます。
目立つ要素=個性なので、目立つ要素を発揮できる場(部活や行事)で活躍することで問題は解消するので、きちんとアドバイスをしてあげましょう。
「みんなに合わせるのが当たり前」という環境に対応できない場合に孤立してしまうケースもあります。
公立中学校といっても学校によって教育方針が違います。
学校の選択肢は公立中学校だけではありません。
私立中学校の雰囲気の方がお子さんに合うかもしれないので、色々な選択肢を用意することでコミュニケーションを取るのが苦手でも気の合う仲間にまぐりあう環境を見つけることができるでしょう。
今回の記事の内容を踏まえて、いじめを防ぐためにもお子さんの性格分析や接し方を見つめなおしてみてください!