中学生にはどのくらいの勉強時間が必要かは、人によって違うのでなかなか難しい問題です。
もしかしたら、学校で友達と勉強時間について話をして、「自分より少ない人が多いなぁ」なんて安心している中学生がいるかもしれません。
友達の話す勉強時間を信じてはいけません。
この記事では「中学生の理想の勉強時間」が分かります。
以下、信頼性のため自己紹介します!

中学生の勉強時間
中学生の勉強時間を……
- 平均の勉強時間
- 勉強する時間帯
の2つの視点で紐解いていきましょう。
平均の勉強時間
2019年にベネッセ教育総合研究所が、中学生を対象にした学習時間の調査を発表しています。
参考:東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査2019」
ベネッセ教育総合研究所の研究によると、中学生の1日の平均的な学習時間は……
中1と中2…1時間30分強
中3…高校受験がある影響で2時間14分
でした。
中1と中2の勉強時間がの平均が1時間半は本当かなと疑ってしまいます。
同様に中3が2時間14分の平均時間とは少なすぎます。
勉強する時間帯
中学生の学習時間のピークは20時00分〜22時30分となっています。
帰宅後に夕食や入浴をして、勉強に取り掛かるのが20時00分〜22時30分になる中学生が多いのは納得です。
部活動を終えて帰宅するとなると、そうしてもこの時間帯になってしまう中学生が多いということでしょう。
とはいえ、これはあくまで平均値なので生活スタイルによって勉強する時間帯に違いが生じます。
朝型の勉強法に取り組む生徒も僕の教え子に多いです。
自分に合ったベストな時間帯に関しては色々な方法を試しながら、効果的かを検証する必要があります。
平均の勉強時間はあくまで目安
ここまで、中学生の平均勉強時間などを示してきましたが、示したデータはあくまで「目安」です。
特に中3は受験を控えているので要注意です。2時間14分の勉強時間でOKなどと考えていたら、痛い目に遭うでしょう。
目指す高校のレベルや自分の現在の学力に応じて、勉強に必要な時間は変化します。
では、本当に必要な勉強時間はどの様に割り出せばよいかを解説していきましょう。
シチュエーション別の勉強時間
シチュエーション別の勉強時間として……
- 通常時
- 定期テスト前
- 高校受験前
の3つに分けて解説してきます。
通常時
勉強時間は偏差値を利用して割り出すのがおすすめです。
定期テストや模試で示される偏差値から、平日や休日の勉強時間を求めれば基準が明確になります。
点数よりも偏差値を利用するべき理由も確認しておきましょう。
⇒偏差値の診断方法
偏差値を使って、具体的な時間の割り出しました。
【偏差値別】必要な勉強時間(中学1・2年生)
平日の勉強時間 | 土日の勉強時間 | |
61以上 | 1.5時間 | 3時間 |
51~60 | 2時間 | 4時間 |
41~50 | 2.5時間 | 5時間 |
40以下 | 3時間 | 6時間 |
この表に沿って、詳しく見ていきましょう。
偏差値が61以上の中学生

すでに実力が備わっているので、偏差値が61位以上の中学生は現状維持が大事になります。
学校での勉強や自宅学習が上手にできている状況なので、変える必要は無いです。
もし変えるとするならば、勉強の質を高めることに力を注ぎましょう。
より効率的に学ぶためにできる工夫をすることが大事です。無駄な時間をカットできれば、その分の時間を新たな取り組みに使うことができるようになります。
中1・中2のうちに、高校入試の過去問を解くなどできればベストです。
偏差値が51~60の中学生

偏差値が51~60の中学生は平均点プラスαの点数を取れているので、基本的にはこの調子で問題ないでしょう。
勉強の方法は間違っていませんが、勉強量が不足していると思われます。
したがって、平日2時間、土日は4時間の勉強時間は確保したいです。
偏差値が51~60の場合は、簡単に偏差値が下がってしまう恐れがあります。
偏差値が51~60の範囲は偏差値が最も変動しやすい領域だからです。
気を抜かずに努力を積み重ねれば、高校受験にも余裕を持って臨むことができるでしょう。
偏差値が41~50の中学生

偏差値が41~50の中学生は一番危険です。
平均点に届いていない原因を解消することが大事になります。
この偏差値の中学生の場合、大抵は勉強の方法自体が分かっていない可能性が高く、勉強量が不足しています。
悪いことは言いません。最低でも平日2.5時間、土日は5時間の勉強時間を確保しておきましょう。
とはいえ、平日に毎日2.5時間もの勉強時間を確保するのは容易ではありません。
平日の不足分を土日に補填するというスタイルも可能ですが、土日には部活の試合などもあるのでなかなか難しいのが現状でしょう。
偏差値が40以下の中学生

偏差値が40以下の中学生は絶望的な状態です。
勉強のやり方を分かっていないことはもちろんですが、「自分の分からないところが分からない」という末期状況になってしまっていると思います。
当然、勉強するモチベーションも低く勉強時間も少ない状況です。
こうなってくると、平均を大きく上回る努力が必要になります。
状況を好転させるためには、最低でも3時間、土日は6時間以上は勉強する必要があると思います。
これまでサボってきた分を取り返すという意味では、仕方のないことだと割り切りましょう。
ここで、1つ確認しておきたいのは「正しい勉強法で必要な勉強時間を確保すること」です。
やみくもに長時間勉強しても効果は薄いですし、そもそも勉強すること自体が困難でしょう。
定期テスト前
定期テスト前の勉強時間の目安は以下の通りです。
平日の勉強時間 | 土日の勉強時間 | |
61以上 | 2.5時間 | 5時間 |
51~60 | 3時間 | 6時間 |
41~50 | 3.5時間 | 7時間 |
40以下 | 4時間 | 8時間 |
平日は通常時の勉強時間プラス1時間、土日は通常時の勉強時間プラス2時間の勉強時間が目標になります。
定期テストの勉強法や勉強計画の立て方も確認しておきたいです。
平日の勉強時間と土日の勉強時間に分けて、それぞれ解説していきましょう。
平日の勉強時間
テスト前2週間から1週間前までは、部活に忙しいでしょうから【偏差値別】必要な勉強時間を参考に、偏差値に応じた勉強時間の確保を行ってください。
テスト1週間前になると、部活が停止されるので、平日は【偏差値別】必要な勉強時間+1時間の勉強時間を確保しましょう。
特に暗記する重要用語の多い社会・国語・理科は計画的に勉強することが重要です。
土日の勉強時間
土日の勉強時間は、定期テスト対策において非常に大きなポイントになります。
平日にできなかった勉強のカバーも行うので、土日は【偏差値別】必要な勉強時間+2時間の勉強時間を確保するべきでしょう。
高校受験前
高校受験に必要な勉強時間は、志望校と自分の偏差値の差によって変わります。
基本的には、1学期までは部活との両立があるので通常と同じ勉強時間で、夏休みから本格的に勉強開始というパターンになるでしょう。
受験勉強ではスケジュールが大事で、時間よりもその日に勉強するべき内容が終わったかを重視するべきです。
志望校と自分の偏差値に差がなければ、勉強時間の目安としては……
- 夏休み…6時間
- 2学期…2〜3時間
- 冬休み以降…4〜6時間
が目安となります。
自分の偏差値より高い志望校を受験する場合は、苦しくても夏休み前まで3〜4時間の勉強時間を確保したいところです。
- 夏休み…6~8時間
- 2学期…3〜4時間
- 冬休み以降…5〜8時間
が目安となるでしょう。
高校受験に関係する記事も参考にしてください。
▼高校受験に合格できる勉強法はこちら↓
▼高校受験までのスケジュールの立て方はこちら↓
勉強時間を確保する秘訣
ここまで、勉強時間を示してきましたが、そんな時間はない!という中学生に怒られてしまいそうです。
でも、勉強時間を確保することは不可能ではありません。
勉強時間を確保する秘訣を4つ紹介します。
勉強の効率化を図る
勉強の効率化を図る方法は、次の4つです。
- ムダな時間をなくす
- 誘惑物に注意する
- 要点だけを勉強する
- 時間割でメリハリをつける
それぞれ、詳しくみていきましょう。
ムダな時間をなくす

「勉強する時間が無い」と言う中学生は、本当に時間は無いのか自問自答しましょう。
勉強時間は少ないのに、スマホで動画を見たりゲームをしたりしているのではないでしょうか?
ムダな時間をなくして勉強時間に充てれば、簡単に勉強時間を増やせます。
趣味や娯楽に関するものを机の周りに置かないことで、勉強をしているつもりになっていた時間を減らせます。
今日までの3日間の朝起きてから寝るまでの時間を時間ごとに書き出してみましょう。
いかに、ムダな時間を過ごしているかが分かるはずです。
誘惑物に注意する

休憩時間にスマホをチェックし始めると「予定の休憩時間をオーバーしてしまった」という事態が頻発すると思います。
スマホの方が気になって、勉強がおろそかになってしまっては本末転倒です。
机の周りに誘惑物を置かないようにすることはとても大事なことです。
平日ならスマホを使ってもいい時間は勉強後の1時間などとルールを決めると良いでしょう。
※お子さん自身がルールを決めることが重要です。
要点だけを勉強する
勉強時間が限られているのに、なんでもかんでも勉強していたら、時間がいくらあっても足りません。
出題されやすいポイントに絞って勉強することは、勉強時間を短縮することになり、勉強時間を確保することにつながります。
時間割でメリハリをつける

土日に長時間勉強するときに、休憩なしで集中し続けることは不可能です。
勉強の効率化するために「時間割」の導入をおすすめします。
学校のように何時から何時までは勉強、何分間の休憩をとるというように時間割を組むことでメリハリをつけながら勉強することができます。
休憩時間には「体を動かす」「間食をとる」「音楽を聴く」などしてリフレッシュすることで、集中力をキープしてください。
毎日決まった時間割に沿って勉強すれば、勉強の習慣化も簡単にできるようになるでしょう。
勉強時間を増やす

勉強時間を増やす方法は、次の2つです。
- 朝型か夜型か見極める
- 日数を増やす
それぞれ、確認していきましょう。
朝型か夜型か見極める
人によって「朝に集中できるタイプ」と「夜に集中できるタイプ」に分かれます。
自分のタイプを生かして勉強することで、勉強時間を増やすことができるでしょう。
朝型なら1時間早く起きて勉強し、夜型なら夜に1時間追加で勉強してから寝るようにすれば勉強時間が確保しやすいはずです。
日数を増やす
中学生は部活と勉強を両立させる必要があるので、勉強時間は限られます。
1日あたりの勉強時間を増やすのは難しいのであれば、発想を変えて「勉強する日を増やす」という方法もあります。
部活で忙しいという理由で勉強していなかった日や曜日に、1時間だけ勉強するようにすれば、勉強時間を増やすことができるでしょう。
勉強時間を増やすときの注意点

昨日までほとんど勉強していない中学生が、一念発起して今日から何時間も勉強を始めました。
彼は、初日に3時間も勉強しました。でも、翌日は2時間持たずに挫折。1週間後には勉強するのをやめてしまいました…。
これは中学生のあるあるです。
まずは無理のない勉強時間で2週間ぐらい勉強を続けてみて、勉強時間を増やすときには「1週間経つごとに30分程度増やす」というように、段階的に増やすようにしましょう。
勉強時間の平均にダマされてはダメ
中学生の1日の平均的な学習時間は1時間20分前後というデータを見て安心してはいけません。
これは目安であり、このぐらいの勉強時間でOKなのは成績が上位20%の中学生だけです。
偏差値によって必要な勉強時間が異なることを認識しましょう。
試験前には部活が停止するはずなので、その分の時間の上乗せも当然必要です。受験生なら中1と中2の勉強時間プラス1時間は学習するべきです。
学校の友達の言うことも信じてはいけません。みんな隠れてコツコツ努力を重ねています。
こう言われても、実際に行動する中学生は100人中3人もいません。これはチャンスです。
みんな分かっていても勉強しようとしません。
正しい勉強法で必要な時間、勉強に取り組めば、必ず成績は向上します。
と理想論を述べてきましたが、勉強時間の確保が難しい中学生のために裏技を教えちゃいます。
プロに指導をお願いする方法です。
時間がないのであれば勉強の質を上げるのがベストな方法になります。
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記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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