中学生になると部活が始まるなど、生活を大きく変える「変化」がいくつも起こります。
中学生になって起こる変化の中でも一番大きいものが『定期テスト』です。
保護者と話すことがあれば……

定期テスト勉強法が知りたい
という相談を必ず受けます。
現役の教員が考える「中学生の定期テストの勉強法」をこの記事でお伝えします。
以下、信頼性のため自己紹介します!

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定期テストの勉強法
中学生の定期テストの勉強法は、次の4つのステップで行います。
- 勉強に必要な教材を用意する
- 計画を立てる
- まずは教科書の内容の理解から
- 重要語や公式を徹底的に暗記
- 間違った問題の解き直し
中学生が定期テストの勉強をするときのキーワードは「教科書」、「暗記」、「解き直し」の3つです。
定期テストの勉強では教科書にのっている重要用語の暗記に最も力を注ぎましょう。
定期テストでは、暗記を取りこぼさなければ平均点を簡単にとることができます。
公式を使って解く問題は、教科書の例題などをくり返し解き直すことを心がけてください。
この記事では、勉強を始める前にやるべきこと、各教科の勉強法、定期テストでやってはいけない勉強法など、中学生が定期テストで実践するべきことをすべて書きました。
まずは、中学生にとって「定期テストが重要な理由」から確認していきましょう。
定期テストで内申点が決まる
小学生までは単元ごとに確認テストが行われていましたが、中学生になると定期的にテストが行われるようになります。
定期テストは「中間テスト」と「期末テスト」の2種類で、定期テストの結果は高校受験に大きく影響します。
定期的テストは出題範囲が広いので、小学生の確認テストのように高得点を取ることが難しいです。
高校受験では、試験の点数に内申点が加味されて合否が決まるしくみになっています。
内申点が高ければ有利になり、低ければ不利になります。
高い内申点をとる一番の方法は、「定期テストで高得点をとること」です。
5教科(国語、数学、英語、理科、社会)では授業態度や宿題の提出状況も含まれますが、ほとんど定期テストの結果で内申点が決まります。

定期テストの勉強を始める前の対策
中学生が勉強を始める前の対策は、次の4つです。
- 誘惑物の排除
- 勉強場所の片づけ
- 室温の調整
- 体調管理
4つの中には、保護者の協力が必要なことも含まれています。
それでは、中学生が勉強を始める前にやるべき4つのことを詳しく見ていきましょう。
誘惑物の排除

テスト勉強を始める前にはスマホ、ゲーム、マンガなどが散る原因になる誘惑物は視界に入らないところに片づけておきましょう。
時間を決めて、誘惑物を保護者が預かるのがベストです。
誘惑物の排除が、勉強に集中できる環境づくりの最大の難関となります。
きちんと誘惑物に関するルールを決めて、勉強中は誘惑物の排除を徹底しましょう。
勉強場所の片づけ

いざテスト勉強を始めようとすると、勉強場所が汚くて集中できない中学生は多いです。
勉強をするたびに勉強場所の片付けから始めていては、勉強しようというやる気が低下します。
ハッキリ言って、勉強場所の片付けをしている時間はすべてムダです。
ぜひ、モノを決まった場所に置く「定置管理」をやってみましょう。
定置管理をしておけば机の上などの勉強場所は整理され、勉強中に必要になった文房具が見つからないといったことも無くなります。
モノの定置を決めたら、整理した状態の写真を壁に貼って、その通りに片づければOKです。
室温の調整
意外と忘れがちなのが室温の調整です。
人間は快適すぎる環境に身を置くと、集中力が低下してしまうことがあります。
室内の温度はやや低めに設定すると、頭がぼーっとなるのを防げるので集中力が低下しにくいです。
快適な環境ではなく、定期テストの勉強に「集中できる環境づくり」を心がけましょう。
体調管理

定期テストの勉強をしているときって、勉強時間がいくらあっても足りないですよね?
定期テスト勉強で勉強時間の確保のために削ってしまうのが「睡眠時間」です。
睡眠時間を削って睡眠不足の状態で勉強しても、睡魔におそわれて集中力や記憶力は高まりません。
中学生の睡眠時間は7~8時間必要と言われています。定期テスト前は睡眠時間を6時間は確保しましょう。
また、定期テスト前に時間が無いからと言う理由で食事が適当になっていませんか?
中学生の脳は、栄養バランスの良い食事が無いと最大のパフォーマンスを発揮できません。
睡眠時間を確保する、栄養バランスに良い食事をとって体調管理をし、ベストな状態で勉強に取り組みましょう。
定期テストの勉強法【5ステップ】

中学生の定期テストの勉強法は…
- 勉強に必要な教材を用意する
- 勉強計画を立てる
- 教科書の内容の理解
- 重要語や公式の暗記
- 間違った問題の解き直し
の5つのステップで進めましょう。
ここからは、5ステップをそれぞれ詳しくチェックしていきましょう。
勉強に必要な教材を用意する
多くの中学校では定期テストの2週間前に、テスト範囲が発表されるはずです。
定期テストの範囲が発表されたら、勉強に必要な教材を用意しましょう。
定期テストの勉強に必要な教材は、次の6つになります。
- 教科書
- 授業で使っている副教材(資料集など)
- 授業内容を記録したノート
- 授業で配布されたプリント
- テスト範囲に指定されている宿題
- 授業で使っている問題集
多くの中学生は定期テストの範囲が発表されてから、勉強に必要な教材を用意すればいいと思っていますが、大間違いです。
「授業内容を記録したノート」と「授業で配布されたプリント」は、それまでの授業の中で完成させておくべきものになります。
授業でノートを取っていない、授業で配布された重要なプリントを整理できていないという状況では、定期テストの勉強が十分にできるはずがありません。
戦いは定期テスト範囲の発表の前から始まっているということです。勉強に必要な教材の用意がサッとできればスムーズに定期テストの勉強が始められます。
勉強に必要な教材がそろったら、次は勉強計画の作成です。
勉強計画を立てる

定期テスト直前に慌てて対策を始めて、高得点をとれる生徒は相当な能力の持ち主です。
定期テストの直前になって「今日から毎日5時間勉強する」と意気込む中学生を多く見てきました。
このような中学生は、大抵の場合、定期テストの初日が終わると「もっと早く勉強を始めておけばよかった~」と嘆いています。
定期テストに向けた勉強計画を立てて、勉強すれば定期テスト直前に慌てることがありません。
テストの勉強計画を立てる手順は、次の6つになります。
- 定期テストの範囲を確認する
- 目標を設定する
- 自分の現状を把握する
- 弱点をリスト化する
- 1日当たりの勉強量を決める
- 定期テストの勉強計画を紙に書く
定期テストの範囲が分かるのは、大体テスト2週間前です。定期テストの範囲が発表されたら、その日のうちに勉強計画を立てることをおすすめします。
▼詳しく「定期テストの計画の立て方」が知りたい人はこちら

教科書の内容の理解
本屋さんで売っている参考書や問題集を使って、定期テストの勉強をする必要はありません。
定期テストで失敗する中学生の多くが、色々な参考書や問題集に手を出して全部が中途半端に終わっています。
定期テストは教科書をベースにつくられるので、定期テストの勉強では教科書の内容を理解しておけば大丈夫です。
重要語や公式の暗記
中学校の定期テストでは暗記すればできる問題が数多く出題されます。
暗記型の教科である「国語、社会、理科」の3教科は特に暗記の重要度が高いです。
英語や数学は積み上げ型教科ではありますが、英語の英単語も国語同様に暗記することがそのまま得点につながります。数学の公式は暗記していないと問題を解く時に使えないので、暗記しておくことが前提です。
間違った問題の解き直し

教科書の理解と重要用語や公式の暗記が終わったら、いよいよ問題を解く練習です。
教科書の理解と重要用語や公式の暗記はインプットです。インプットしたことをアウトプットすることで自分の力だけで問題を解く力が身に付きます。
定期テストにおけるアウトプットは、問題を解くことです。
ただ、闇雲に問題を解くと貴重な時間をムダにしてしまう可能性があります。テスト勉強で解くべき問題は、授業で出題された問題や小テストで「間違った問題」です。
間違った問題が10問なら、10問を全て解き直すのが1回目です。1回目に間違った問題を解き直すのが2回目。3回目で解き直すのは2回目で間違った問題になります。これをくり返していば、できない問題がだんだん減っていくはずです。
間違った問題を解き直すことで、定期テストの失点を減らすことができます。
定期テストの勉強を一気にまとめてやるのは無謀です。テスト2週間前から、暗記も問題演習も何度もくり返すことが大切です。
そうすれば、定期テストで高得点が取れるだけでなく、勉強した内容が長期記憶として定着するので高校受験でも有利に戦うことができます。
以上の5ステップを徹底すれば、定期テストで確実に平均点以上を取れます。
中間テストと期末テストの違い
期末テストの勉強法は基本的には中間テストと同じですが、2点注意するべきことがあります。
- 副教科が増える
- テスト範囲が広い
それぞれ、注意点を確認しましょう。
副教科が増える
期末テストには、中間テストには無かった5つの副教科(保健体育・技術・家庭科・美術・音楽)のテストが増えます。
期末テストでは勉強する教科数が増えるので、テスト勉強に中間テスト以上の勉強時間が必要になります。
副教科は高校受験で出題されません。そのせいで副教科の点数は甘く見られがちですが、その考えは大間違いです。
中学生にとって定期テストが重要な理由で話した通り、定期テストの結果は『内申点』に関わります。
副教科は週に1時間程度しか授業がないので授業が進みにくく、期末テストの平均点が80点~90点と高くなります。
「期末テストの副教科をおろそかにする=志望校の合格率を低くしている」ことを中学生は自覚するべきです。
テスト範囲が広い
これは教員あるあるなんですが、中間テストでできていなかった問題は期末テストで再び出題することが多いです。
また、中間テストに比べて期末テストは「テスト範囲が広い」という特徴があります。
例えば、1年間のまとめとして最後の期末テストでは、それまで勉強してきた内容すべてがテストの範囲になることだって珍しくはありません。
定期テストで絶対にやってはいけない勉強法

中学生にとって定期テストは「学力をつける」重要な機会です。
学力をつけることが機会である定期テストを、適当に済ませていたらどうなるでしょうか?
定期テストでやってはいけない勉強法は、次の3つです。
- ただの丸暗記
- 一夜漬け勉強
- まとめノートの作成
それぞれ、やってはいけない理由を確認していきましょう。
ただの丸暗記
ア~エの選択肢の中から1つ選ぶ問題の答えを丸暗記している中学生がいたとします。
選択肢の順番を変えられたら、終わりです。
計算問題の計算過程をスルーして、答えだけを丸暗記する中学生がいたとします。
問題の数字を変えられたら、終わりです。
定期テストだけで見れば、丸暗記で一時的に点数が取れるかも知れません。
きちんと本質を理解しておかないと、最終的に高校受験のときに涙を流しながら後悔する運命が待っています。
一夜漬け勉強
一夜漬け勉強をやってはいけない理由は、睡眠不足のまま定期テスト受けることになるからです。
中学生が何日も連続で夜遅くまで勉強したら、テスト最終日にはまともに集中できる状況にあるわけがありません。
もしも、定期テストの2週間前から「1日3時間」勉強をすれば、トータルで「42時間」の勉強時間が確保できます。
一夜漬け勉強と定期テストの2週間前から「1日3時間」勉強の勝負…勝敗は明らかです。
一夜漬け勉強でも定期テストで点数を取れるかもしれませんが、知識が長期記憶になることなく、短期記憶として忘れられます。
一夜漬け勉強とは決別して、コツコツ学力をつけるようにしましょう。
まとめノートの作成
まとめノートの作成は、僕自身が中学生の時にもやっていた勉強法でした。
定期テスト用に「まとめノート」を作る中学生がいますが、まとめノートの作成は即やめましょう。
まとめノートを作った直後に内容をテストしてみたら、まとめノートの内容がが頭に入っていません。
ノートを書くことが目的になっていて、内容が頭に入っていません。
まとめノートの作成に時間をかけるよりも、教科書や授業ノートを10回書いて覚える方が定期テストでの得点アップにつながります。
教科別の定期テスト勉強法
教科別の定期テスト勉強法を押さえておくと、時間を有効に活用して勉強を進めることができます。
参考にしてください。
定期テスト前日の勉強法
定期テスト前日は「確実に得点できるポイント」を最優先に勉強しましょう。
繰り返しになりますが、定期テストの勉強法で最も効果的なことは重要用語の暗記になります。
定期テスト前日までの勉強で、自分がなかなか暗記できない用語や公式を抜き出したリストを作っておくのがおすすめです。
自分がなかなか暗記できない用語や公式をリストにしておけば、定期テストの前日の確認がスムーズになります。
※用語や公式を教科別に箇条書きにしたリストでOKです。
暗記のチェックが終わったら、定期テスト前日までの勉強で間違えの多かった問題をもう一度解き直しましょう。
自分が間違いやすい問題は事前に勉強した時に印をつけて、ハッキリ分かるようにしておくと良いです。
定期テストで見たことがある問題が出題されたら、スラスラ解けるように備えることが重要となります。
本番では文字をていねいに

教員という職業柄、数多くの定期テストの解答用紙を見てきました。
定期テストの点数が高い解答用紙には、共通点があります。
定期テストの点数が高い解答用紙の共通点は「文字をていねいに書いていること」です。
キレイな文字ではなく、「ていないな文字」なので間違えないでください。
先生は解答用紙に書かれた文字を見て、定期テストに向けてどれだけ準備をしてきたかを感じ取ります。
定期テストに向けて充分な準備ができていなければ、投げやりな文字になってしまいます。投げやりな文字だと、読めないせいで正解が不正解になってしまう場合があります。
字には心が映ると言います。定期テスト本番ではていねいな字で解答を書くようにしましょう。
次の定期テストに向けた準備
次の定期テストに向けた準備は、次の2つです。
- 定期テストのやり直し
- 教材の整理整頓と断捨離
それぞれ確認していきましょう。
定期テストのやり直し
定期テスト終了後に非常に重要なことは、定期テストのやり直しです。
定期テストの解答用紙が返却された後、解答用紙は役目終了ではありません。
定期テストで間違った問題は弱点です。弱点をそのままにしていて、成績が伸びるわけがありません。
特に数学や英語は積み上げ型教科なので、各単元を理解していないと後々つまずく可能性が大です。
間違った問題のやり直しは次の定期テストの準備であるとともに、「高校受験に向けた準備」だと心得ましょう。
教材の整理整頓と断捨離

定期テストの勉強は、勉強に必要な教材を用意することから始まります。
定期テストの勉強に関係のない教材や不要な教材を整理しておかないと、テスト前に教材の整理に余計な時間を費やすことになりかねません。
教材の整理が終わったら、関係のない教材や不要な教材はどんどん捨てましょう。
不要なプリントを捨て去る勇気がある=知識の定着に自信を持っている状況だと言えます。
定期的に教材の整理整頓と断捨離を行うようにしましょう。
定期テストの勉強法
中学生の定期テスト勉強法は……
- 勉強に必要な教材を用意する
- 計画を立てる
- まずは教科書の内容の理解から
- 重要語や公式を徹底的に暗記
- 間違った問題の解き直し
の5つのステップで行うのがベストだとお話ししてきました。
テスト範囲が発表されたらすぐに計画の作成ができるように、普段から授業中に集中することはもちろん、教材の整理整頓を心がけましょう。
中学生が定期テストの勉強をするときのキーワードは、「教科書」、「暗記」、「解き直し」の3つです。
定期テストは教科書をベースに勉強を進め、暗記に力を入れてください。
定期テストでは暗記で対応できる問題が多いので、暗記で取りこぼさなければ平均点は簡単に取れます。
公式を自由に使いこなせるようになるまで演習したり、間違った問題をくり返し解き直すことが定期テストの得点アップにつながるでしょう。
今回の記事が、お子さんの定期テストの得点アップや内申点アップに役立てば幸いです。
勉強を始める前にやるべきこと、各教科の勉強法、定期テストでやってはいけない勉強法など、中学生が定期テストで実践するべきことも参考にしてください。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました!