高校受験の社会勉強法「地理・歴史・公民を得意にするテクニックとは」

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定期テストでは授業で勉強した内容を暗記することで平均点を取ることが可能なので、「社会=暗記」というイメージは間違っていません。

ところが、高校受験では文部科学省が思考力を問う問題の出題を求めるようになった影響で、教科書の暗記だけでは対応できない問題が出題されています。

では、どのように高校受験の社会を勉強したらよいのでしょうか?

この記事では、高校受験の社会の勉強法を解説しています。

以下、信頼性のため自己紹介します!

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目次

高校受験の社会勉強法

高校受験の社会勉強法は……

  1. 教科書を音読する
  2. 重要用語を暗記する
  3. 重要用語の内容を理解する
  4. 資料集と地図帳を活用する
  5. 問題演習を繰り返す
  6. 過去問で本番をシュミレーションする

の6つを押さえることが重要です。

まずは、社会が暗記だけでは高得点が取れなくなった原因から見ていきましょう。

社会は暗記だけでは高得点が取れない

社会は暗記だけでは高得点が取れない

大前提として、社会は暗記型の教科であり、重要用語を暗記していないとお話になりません。

僕が中学校の時の定期テストや高校受験では「知識量」で勝負が決まっていました。

現在の社会の定期テストや高校受験の問題でも知識を問われますが、社会は「暗記だけで高得点が取れない教科」へと進化しています。

中学校の定期テストの問題は「高校入試の問題傾向に合わせて作られる」ので、定期テストでも「思考力」や「表現力」が必要な問題が増えたことが原因です。

例えば……

  • グラフ・図の中に隠されたデータを見つける力
  • 複数の知識を組み合わせて考える力
  • 自分の考えを説明する力

の3つの要素が解答に必要です。

社会の「思考力」や「表現力」が必要な問題は解答に時間がかかるので非常に厄介です。

さらには、教科書に載っていない時事問題をテーマにした発展的な知識を問う問題が出題されることも珍しくありません。

社会=暗記だけの教科だと思い込んでいると、大変なことになるでしょう。

基礎内容を問う問題を取りこぼさないようにすることが第一ですが、志望校の過去問を徹底的に研究して「思考力」や「表現力」が必要な問題の対策をすることが大事です。

高校受験の社会勉強法を詳しく解説

高校受験の社会勉強法は……

  1. 教科書を音読する
  2. 重要用語を暗記する
  3. 重要用語の内容を理解する
  4. 資料集と地図帳を活用する
  5. 問題演習を繰り返す
  6. 過去問で本番をシュミレーションする

の6つを押さえることが重要です。

それぞれ詳しく解説していきます。

教科書を音読する

教科書を音読する

定期テストの対策と同じく、高校受験の社会の勉強における最高の教材は「教科書」です。

特に歴史では、教科書で時代の流れを掴んでおくことは重要用語の暗記を大きく手助けすることになります。

高校受験の社会の勉強は「教科書を音読すること」から始めましょう。

教科書を音読すると視覚と聴覚を使うことになるので、黙読とは比べて格段に理解度が高まります。

1度音読して終わりではなく、何度も読み込むことによって教科書の内容をインプットしましょう。

余裕があれば、教科書を音読するのと併せて……

  • 歴史…年表の自作
  • 地理…地図の自作
  • 公民…相関図の自作

を行うと、教科書の内容がつかみやすくなるでしょう。

重要用語を暗記する

高校受験の社会で得点を取るために一番大切な要素は「知識量」で、知識量を上げる効果的な方法が暗記になります。

定期テストで暗記してきた重要用語が受験勉強のベースです。

穴埋め式のプリントなどで暗記してきた内容は、定期テスト前だけに集中して暗記した内容なので古い知識ほど忘れています。

教科書を読み込むことで、忘れてしまっていた知識がよみがえっている部分もあるはずです。

まずは、忘れてしまっている重要用語を再び暗記することから始めましょう。

暗記の基本は……

  • 毎日コツコツ暗記を行うこと
  • 間隔を置いて復習すること

の2つになります。

重要用語の暗記用にまとめノートを作るのは、時間をムダにするのでやめましょう。

社会の教科書をくり返し読んで流れや関係性を掴んでから、年号や人物をガンガン暗記してください。

重要用語の内容を理解する

重要用語の内容を理解する

暗記するときに、太文字の重要用語そのものを丸暗記してはいませんか?

重要用語を丸暗記するだけで解ける問題もありますが、きちんと重要用語の意味を理解していないと解けない問題も出題されます。

例えば『関ヶ原の戦い』という重要用語。

関ヶ原の戦いは「徳川家康」率いる東軍と「石田三成」を中心とした西軍の合戦です。東軍と西軍が1600年9月15日に美濃国「関ヶ原」で激突し、東軍が勝利しました。

次の文章中の①~④にあてはまる語句を答えよ。

( ① )(人物名)は 1600 年の( ② )の戦いで( ③ )らの西軍を破り、実権をにぎった。( ① )は、1603 年に( ④ )に任命され、江戸幕府を開いた。その後、( ① )は 1614年と1615年の 2 度にわたる( ⑤ )で豊臣氏を滅ぼした。

この問題のように、高校受験では教科書の重要用語の前後に書かれている文章を理解していないと解けない問題が出題されます。

重要用語を単語として暗記するのではなく、関連する内容も含めて理解することが大事です。

高校受験で幅広い問題を解けるようになるために、重要用語は丸暗記するのでは無く「内容を理解する」ようにしましょう。

資料集と地図帳を活用する

資料集と地図帳を活用する

社会の勉強の基本は教科書ですが、学校では教科書に加えて「資料集」「地図帳」を使って授業が行われているはずです。

資料集と地図帳を使う理由は、社会の高校受験の問題にグラフや表、図や写真が多く使われるからです。

資料集と地図帳を活用すれば……

【歴史】
人物名を暗記するときに文字ではなく、資料集に載っている肖像画やエピソードを確認すれば人物像が印象に残ります。

例えば「足利尊氏」という人物をすぐにイメージできますか?

【地理】
都市・山脈・河川の名前、産業のデータが地図帳に全部書かれています。授業で新しい場所が出てきたら、地図帳を開いて場所を確認することで特徴や気候を確認できます。

例えば「タイ」という国にどんな特徴がある国か説明できますか?

【公民】
資料集には政治に関する写真や経済に関する図解が載っています。教科書に載っている文章を、資料集の写真や図解を確認することで理解度が格段に上がります。

例えば、「衆議院」と「参議院」の違いをすぐに説明できますか?

教科書の内容を理解するのに、資料集と地図帳を活用できる中学生は社会が得意になります。

問題演習を繰り返す

夏休みまでに基礎固め(重要用語の暗記と理解)が終わっていれば、いよいよ問題演習を行う段階に進みます。

問題演習で間違えた部分は「知識が定着していない」か「理解不足」なので、繰り返し復習して確実に解けるようにしましょう。

問題演習のコツは、間違えた問題に印をつけておくことです。

何も見ずに解けた問題は〇、調べて解けた問題は△、解けなかった問題は×というように、印をつけておけば、解き直すときに弱点が明確になります。

問題演習で使う問題集は高校受験向けに作られたものを1冊購入し、基礎レベルのものを徹底的にできるようにしましょう。

基礎レベルの問題集をクリアできたら、標準レベルの問題集を同じように1冊購入して過去問演習に備えれば完璧です。

過去問で本番をシュミレーションする

冬休みが明けて3学期になったら、志望校の過去問も解く時期になります。

過去問は3年から5年分は解いておきたいところです。

ある都道府県では高校受験の問題が次のような構成で行われます。

  1. 世界の歴史(20点)
  2. 日本の歴史(15点)
  3. 世界の地理(15点)
  4. 日本の地理(20点)
  5. 公民(20点)
  6. 公民の時事問題(10点)

過去問を解くことで、高校受験の問題の出題傾向=「よく出題される図や表の存在」を掴むことができます。

公立・私立それぞれの出題傾向を調べて、対策を立てましょう。

出題傾向を調べるときのチェックポイントは……

  • 題される問題パターンと配点
  • よく出題される分野のリサーチ
  • 時事問題の出題割合

の3つです。

特に「グラフ・図の読み取り問題は過去問を分析して傾向を読むことで対策ができます。社会は5教科の中でも出題傾向が分かりやすい教科なので過去問は要チェックです。

また、過去問を解くときに意識するべきことは「時間」になります。過去問を解くときには必ず時間を計りながら解くようにしましょう。

試験時間が50分であれば……

  1. 世界の歴史(20点)…9分
  2. 日本の歴史(15点)…6分
  3. 世界の地理(15点)…7分
  4. 日本の地理(20点)…9分
  5. 公民(20点)…9分
  6. 公民の時事問題(10点)…5分

    見直し5分

というように、各大問をどのくらいの時間で回答すれば良いかが見えてきます。

過去問で本番をシュミレーションしながら対策を行ってください。

分野別の解法テクニック

中学生が社会でつまずきやすいポイントを「地理」・「歴史」・「公民」に分けて説明します。

地理

地理

中学校の地理でつまずきやすいポイントは……

  • データを読み取る問題
  • 気候や地形に関する問題
  • データを分析する問題(思考力問題)

になります。それぞれ詳しく解説します。

データを読み取る問題

高校受験の地理では、時差を求める計算問題やグラフや表を使った問題が多く出題されます。

特にグラフや表を使った問題では、グラフや表からデータを読み取らばければなりません。僕たちが中学生の時の問題は、与えられた選択肢から選ぶだけで正解できていましたが今の高校受験の問題は違います。

グラフや表に隠されたデータを、記述しなければいけません。

問題で使われるグラフや表は……

  • 都道府県ごとの面積・人口(人口密度)の状況
  • 都道府県ごとの農作物や工業生産の割合
  • 日本と世界の間の貿易状況
  • 世界の地域ごとの気候の特徴

などの幅広い分野になります。

与えられたグラフや表の中のデータを見つけるためには、教科書に載っている基礎知識が必須です。

教科書に載っている基礎知識を使って問題を解き、間違った問題は模範解答を確認しながらポイントを確認しましょう。

たくさんの問題を解きながら、不足している知識を補足していくことが重要です。

気候や地形に関する問題

地理というぐらいですから、地理のテストでは地形や気候に関する問題が多く出題されます。

例えば次のような問題が出題されます。

  1. 宮崎県や高知県で促成栽培が盛んな理由は?
  2. 工業地帯が海沿いに多い理由は?
  1. 宮崎県と高知県では温暖な気候を活かし、農作物の生産を早めるているからです。通常の野菜の旬期より早く市場出荷が可能となります。
  2. 工業製品の原料は海外から船を使って輸入することが多いため、海沿いだと輸送をする際に輸送コストが抑えられるからです。

気候や土地の地形の特性を理解しておけば、気候や地形の特性を生かした農業や産業との結びつきに気が付きます。

地域の特性を理解するときは、白地図に自分で色や説明を書きながらイメージをふくらませると良いでしょう。

データを使った問題

高校受験の社会では「思考力」を問うために表やグラフを使った問題が出題されており、今後も出題が増えていくと予想されています。

表やグラフの読み取り問題を行うためには、表やグラフの中の『データを読み取る力』が必要になります。

表やグラフの中の「データを読み取る力」をつけるためには、質の高い問題を解いて慣れるしかありません。

定期テストのやり直しや地道な問題演習の中で、表やグラフの中の「データを読み取る力」を磨きましょう。

歴史

歴史

中学校の歴史でつまずきやすいポイントは……

  • 重要用語に関する問題
  • 正しい時代順に並び替える問題
  • 日本と世界を比較する問題

の3つになります。それぞれ詳しく解説します。

重要用語に関する問題

重要用語は教科書を使って暗記するのがベストですが、場合によっては一問一答を使っても良いでしょう。

重要用語を覚えるときには「年号、出来事、人物」をリンクさせる(セットにする)ことを心掛けながら暗記しましょう。

例えば「大政奉還」という歴史の用語があります。

大政奉還は1867年10月14日、江戸幕府の第15代将軍である徳川慶喜が政権を朝廷に返上することを申し入れ、朝廷が翌15日に受け入れたという出来事です。

大政奉還という1つの出来事の中に「1867年」という年号と「徳川慶喜」という人物が登場します。

大政奉還は何年に行われたか、誰が行ったかというように、知識がリンクしていないと解けない問題が出題されます。

また、高校受験の社会では「大政奉還」という用語を答えるだけの問題はほとんど出題されず「大政奉還が行われるまでの経緯」や「大政奉還後に起こった変化」が問われます。

つまり、時代背景をつかんでいないと答えられない問題が出題されるので、注意が必要です。

正しい時代順に並び替える問題

歴史上の出来事を正しい時代順に並び替える問題が出題されます。

さらには、写真や資料から歴史上の出来事を読み取り、正しい時代順に並び替えるというハイレベルな問題も出題されます。

この手の歴史上の出来事の並び替え問題でつまずく中学生は、かなり多いです。

年号を暗記するときには、関係する出来事や人物をセットで暗記することの重要性はすでに伝えました。

実は出題されやすい歴史上の出来事はある程度決まっているので、出題されやすい年号を暗記しておけば有利に問題を解くことができます。

出題者側はシンプルに年号を聞くのではなく、問い方を変えることで解答する中学生をふるいにかけます。

問題を解くごとに、間違った歴史上の出来事をメモした年表を作成すると、後から見直すときに便利です。

日本と世界を比較する問題

高校受験では日本の歴史と世界の歴史が別々に問題が出題される場合が多いですが、日本である出来事が起こったときに、海外ではどんな出来事が起こっていたのかを比較する問題が出題されることがあります。

日本で起こった出来事の整理だけでも大変なのに、海外の出来事まで問われたら…パニックになってしまう中学生がいるのは当然のことでしょう。

日本の歴史と世界の歴史は別々なようで、つながっている部分があります。

日本と世界を比較する問題が出題されるので、日本の歴史とその時代の海外の状況まで押さえておくと高校受験で高得点を取ることが可能になるでしょう。

公民

公民

数字を問う問題

公民では、内閣、裁判所、国会、憲法など日本の行政や政治、法律の仕組みをテーマにした穴埋め問題が多く出題されます。

特に公民の穴埋め問題のポイントは「数字」です。

  • 選挙権〇歳以上
  • 参議院議員任期〇年

という形式の問題がたくさん出題されます。

選挙権はある程度知っていても、参議院議員の任期は分からないという中学生が多いです。

しかも、参議院だけなら良いのですが衆議院もあるので混乱やすい部分になります。

公民では、数字に注目して勉強するだけでかなりの成績アップが期待できます。

仕組みを問う問題

デフレを正しく説明できますか?

よく聞くワードですが、きちんと仕組みを理解できている中学生は少ないです。
 
高校受験の公民では、デフレという用語を覚えても問題が解けません。

デフレはデフレーションの略語で、不況でモノやサービスに対する需要が減少し、供給を下回ることで発生する現象です。

次の文章中の①~⑤にあてはまる語句を答えよ。

不景気では商品が売れないので( ① )量が( ② )量を上回り、物価が下がって通貨の価値が上がる( ③ )が起こる。
( ③ )に伴い、労働者の賃金が( ④ )がり消費が縮小する。また、失業者は( ⑤ )する。

というように「デフレが起こる仕組み」や「デフレによって起こること」まで答える必要があります。

高校受験の公民の対策では、仕組みをきちんと理解しておくようにしましょう。

時事問題

公民は現在の社会に関わるしくみを学ぶことなので、高校受験の社会では話題になったニュースなどの時事問題が出題されます。

残念ながら、時事問題は教科書を暗記しているだけでは解けません。

首相や外国の大統領が変わったりすると、その政治家の名前などが出題されます。

また、新しく施行された法律や世界遺産登録やノーベル賞の授賞者など「国内全体または世界的に大きな影響があった出来事」が出題されるケースが多いです。

↓日本や世界で起きている最新ニュースが知りたい中学生におすすめ

高校受験では時事問題に対する自分の考えを書く問題も出題されます。

時事問題ではタイムリーなテーマが出題される可能性が高いので、普段からニュースや新聞で「政治・文化・法律」に関する情報を収集しておきましょう。

高校受験の社会勉強法

高校受験の社会勉強法は……

  1. 教科書を音読する
  2. 重要用語を暗記する
  3. 重要用語の内容を理解する
  4. 資料集と地図帳を活用する
  5. 問題演習を繰り返す
  6. 過去問で本番をシュミレーションする

の6つを押さえることが重要です。

高校受験の社会は暗記の重要度が高く、「伸ばしやすい教科」と言えます。

とは言え、高校受験の社会では「思考力」や「表現力」が無いと回答できない問題の出題が増えていて、高得点を取るには暗記に頼っていてはダメになりました。

きちんと重要用語の意味ほかの用語との関係性を押さえることが重要です。

この記事で紹介したポイントを押さえれば、必ず社会の成績が上がると断言します。

この記事が、お子さんが高校受験の社会を勉強する際に役立つと幸いです。

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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