高校受験の国語勉強法「論説文・小説文・古文・漢文の解法を徹底解説」

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多くの中学生にとって、最終目標は高校入試になります。

ところが、高校受験のための国語の勉強法が分からないという中学生は少なくありません。

国語は数学や社会などの科目とは異なり、勉強方法が一番ハッキリしない科目です。

論説文、小説文、古文、漢文の解き方や押さえるべきポイントについて具体的に解説していきます。

以下、信頼性のため自己紹介します!

目次

高校受験の国語勉強法

高校受験の国語勉強法は次の5つです。

  • 長文読解に慣れる
  • 過去問を解く
  • 苦手対策を優先する
  • 選択式問題の解き方をマスターする
  • 記述力をアップする

いかに、志望校の傾向を掴んで適切な対策ができるかが大事になってきます。

それでは、高校受験の国語勉強法を詳しく見ていきましょう。

高校受験の国語の勉強法

ここからは、具体的な高校受験の国語の勉強法を紹介していきます。

高校受験の国語の勉強法は……

  • 長文読解に慣れる
  • 過去問を解く
  • 苦手対策を優先する
  • 選択式問題の解き方をマスターする
  • 記述力をアップする

の5つになります。

それぞれ、確認していきましょう。

長文読解に慣れる

定期テストの範囲であれば、テスト範囲があるのである程度の対策が可能です。

ところが、高校受験になると、どんな問題文が出題されるかは予想できません。

実は高校受験の問題文には「文章が長い」という特徴があります。

普段から本を読んでいる生徒は、文章を読むことへの抵抗感が少なく、読解力が自然と身に付いているので問題ありません。

ところが、文章を読むことへの抵抗感のある中学生の場合、問題文を読むのに時間が掛かってしまいます。まずは長文に慣れることから始めると良いでしょう。

高校入試で出題されるレベルの長文に慣れることを目的に問題集などに取り組みましょう。
※受験前にたくさん本を読む必要はありません。

また、論説文の問題では「歴史」「文化」「科学技術」に関するものまで多種多様なジャンルの文章が出題されます。

論説文の問題では社会的なテーマが取り扱われることが多く、キーワードが文章の中に盛り込まれています。

キーワードをあらかじめ知っておけば、内容の理解度が大きく変わってきます。

キーワードを知るための一番の教材は新聞ですぜひ、毎日新聞を読んでキーワードをインプットしていきましょう。

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過去問を解く

志望校が決まっているのであれば、志望校の過去問を最低でも3年分、できれば5年分は解いておきましょう。

高校受験の問題は高校によって出題内容・形式が大きく異なります。したがって、志望校の過去問を解く目的は「出題傾向の把握」です。

本番で同じ問題が出る可能性はゼロですが、過去問を解けば、志望校の出題傾向をつかむことができます。

出題傾向を調べるときのチェックポイントは……

  • 出題される問題パターンと配点
  • 頻出の分野・問題形式
  • 作文の有無

の3つです。

特に頻出分野のチェックが重要で、自分の得意分野と苦手分野を踏まえて対策をしなければいけません。

出題される問題パターンを研究すれば、解答する順番と時間配分が分かります。

僕自身もやっていることなのですが、書店で販売されている全国の公立高校入試問題集を使って「47都道府県の入試問題」を解くのがおすすめです。

47都道府県の問題を解くと、全国レベルの高校受験の出題トレンドが見えてきます。高校受験の出題トレンドは最新の入試に反映される可能性が高いので把握しておいても損はありません。

苦手対策を優先する

過去問を解くと、自分の苦手な分野が明確になります。

国語の過去問を解いて、分野ごとの正答率に明らかに差がある時には「苦手対策」を優先させましょう。

とある都道府県の国語の点数配分です。

大問内容配点
漢字の読み10
漢字の書き10
3小説文25
4論説文30
5古文(漢文)25

1つの分野が極端に苦手だと、致命傷になりかねません。併せて、漢字の対策もきちんと行いたいところです。

高校受験向けの「漢字」「文法」「古文」「漢文」というように分野別に特化した問題集を活用するなどして、苦手対策を優先する方が確実に本番での点数アップが見込めるでしょう。

選択式問題の解き方をマスターする

選択式問題は高校受験の国語で良く出題される問題形式で、いくつかの選択肢の中から正しいもの(間違っているもの)を選ぶ形式の問題になります。

具体的には「次の選択肢のうち、間違っている内容を選びなさい」という形式の問題です。

選択式問題は高校受験で多く出題されるので、得点源にしたい問題になります。

ところが、選択式問題を見ると「すべての選択肢が、全部正解に見える…」と苦手意識を持つ中学生が多い問題形式です。

選択式問題を解くコツは……

  • 選択肢を確認してから問題文を読む
  • 選択肢を比較する

の2つです。

選択肢を確認してから問題文を読むと、答えを探しながら問題の文章を読むことができます。

他にも、問題の文章の「テーマ」や問題の文章の中にある「キーワード」が掴めたり、解答時間の短縮などにつながります。

選択式問題を解く最大のコツは「選択肢の比較」です。

選択式問題が苦手な中学生は1つ1つの選択肢に分けて解答しようとしますが、そうではなく選択肢どうしを比べて…

「同じところ」「違うところ」

を押さえましょう。

「同じところ」と「違うところ」を比較しながら、多くの問題を解くことで正解率が大幅にアップするはずです。

記述力をアップする

高校受験では作文や小論文などの「記述力が必要な問題」の出題が増えており、今後ますます増えていくと言われています。

志望校の高校受験で作文や小論文が課される場合は、対策が必要になります。

国語の読書感想文とは違って、高校受験の作文や小論文で求められるのは「オリジナリティー」ではなく「分かりやすさ」です。

大事なことなので、もう一度言います。高校受験の作文や小論文を書く際に必要なことは「分かりやすく」書くことに他なりません。

高校受験の作文や小論文でオリジナリティーを追求する中学生がいますが、オリジナリティーの追求は間違っています。

わかりやすい文章を書く練習方法はシンプルで、とにかく文章を書くことです。書いた文章を時間を置いてから「もっとわかりやすくする方法」がないか振り返ることも大切になるでしょう。

誰かに自分の書いた文章を添削してもらうのが一番良い方法です。

自分では気づかなかった癖などを指摘してもらえば、わかりやすい文章が身につくまでの時間を大幅に短縮できます。

高校受験における作文・小論文は、基本的には減点法です。

どこで減点されるかを知り、書く練習をすることが得点アップへの唯一の近道になるでしょう。

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分野別の解法テクニック

高校受験の国語を

  • 論説文
  • 小説文
  • 古文
  • 漢文

の4つの分野に分けて、それぞれ解法テクニックをまとめました。

論説文

論説文は、理屈ってぽくて硬い表現が多いので難しいイメージを持たれがちです。

難しい用語やカタカナ文字が多く用いられるので、読むのが嫌だという中学生も多いでしょう。

多くの論説文では…

  1. 筆者の主張や見解
  2. 読者から出るであろう反論
  3. 反論をはね返す筆者の意見
  4. 結論

という展開になっています。

中学生が論説文を解くときのポイントは「筆者の主張や見解」です。

筆者は……

  • 具体的な例やデータ
  • 他者の意見など客観的な根拠

を示しながら自分の主張や見解を読み手に伝えようとしています。

したがって、問題文の中に答え(筆者の主張や見解)が書かれているとも言えます。

それでは、高校受験のための論説文の勉強法をみていきましょう。

筆者の主張や見解の探し方

論説文の中で示されている、筆者の主張や見解を探すときのポイントは『~である』という部分です。

誰かに時間を聞かれたとき、時計が無くて時間に確信が持てないときは「~ぐらいかな」とか「~だろう」とあいまいな表現を使いますよね?

『~である』と断言している部分は、まちがいなく筆者の主張や見解になります。

例えば…

「□□が〇〇になる理由を答えなさい」

という問題なら、設問として抜き出されている内容の後にある「~である」という部分を探してください。

見つかったら書き換えずに、そのまま抜き出せばOKです。

接続語と指示語に注目する

接続語

接続語は「順接」、「逆説」「累加(添加)」の3種類を押さえましょう。

順接だからそれでするとしたがって
逆説しかしでもだがところが
累加(添加)さらにそしてまたしかも

順接】

原因が前にあり、結果が後に続く

例:彼は熱心に勉強した。だから、いい点数がとれた。


逆接】

前の事柄と反対の事柄が続く

例:彼は熱心に勉強した。しかし、悪い点数をとってしまった。


累加(添加)】

前の事柄に後の事柄を付け足す

(例)彼は熱心に勉強した。さらに、毎日部活にも参加した。

3種類の接続語の中で、評論文のなかで注目するべきなのは「逆説」です。

「しかし」などの逆接の言葉のあとは必ず筆者の主張や見解が続くので、見逃さないようにしましょう。

指示語
近称(こ)中称(そ)遠称(あ)不定称(ど)
事物これそれあれどれ
場所ここそこあそこどこ
方角こちら
こっち
そちら
そっち
あちら
あっち
どちら
どっち

指示語は「文章中のくり返しを避けるための言葉」で、こそあど言葉と呼ばれます。

例えば…

「問題文中にある『このような』とは、どんな内容か答えなさい」

という問題なら、これ=指示語なので、設問に書かれている部分よりも前に答えが出ているはずです。

指示語を明確にできない中学生は、問題文を読むにつれて内容があやふやになるでしょう。

高校受験の問題では、文中の「これ」は何を指しますか?という問題が多く出題され、差が付くポイントの1つになっています。

論説文を解くときの注意点

くり返しになりますが、大事なのでもう一度確認です。

論説文で問われているのは「筆者の主張や見解」になります。

特に記述問題では、自分の考えや主観を入れて解答しないように注意しましょう。

自分の考えや主観を入れて解答してしまっている中学生が多いので要注意です。

論説文における記述問題の正解は必ず出題文の中にあるので、本文中から正解部分をそのまま抜き出します。

あとは設問に合わせて、「なぜ?」には「~だから」というように、適切な文末で終わらせましょう。

小説文

小説文を読むときのポイントは「登場人物の心情の変化」です。

中学生にマンガの中の1シーンを取り上げて、登場人物の心情を問いかけたら簡単に答えられます。

マンガで登場人物が泣いているシーンでは、悲しいという心情を読み取れますが、マンガが文章に変わると「登場人物が悲しくて泣いている」ことが読み取れません。

登場人物の心情が読み取れなくなった理由は「イラストがないから」です。

イラストが無いせいで、登場人物の心情を想像することができません。

では、どうすれば登場人物の心情の変化を見つけられるのでしょうか?

登場人物の心情の変化を探す方法を説明していきます。

自然描写は見逃さない

小説文では登場人物の心情を想像しやすくするために、自然描写で登場人物の心情の変化を表すことがあります。

例えば、快晴であればの登場人物の気分は良いことが分かりますし、大雨であれば落ち込んでいる様子が想像できます。

このように、自然描写ですべての登場人物の心情を表してくれればいうことなしですが、高校受験ではそうはいきません。

時間の経過と出来事に注目

小説文の問題で登場人物の心情の変化を探すポイントは次の3つです。

  1. 場面設定
  2. 登場人物
  3. 時間の流れ

1つ目のポイントは「場面設定」の把握です。

どの様な背景でストーリーが進んでいくのかを把握することで、登場人物の心情の変化をイメージしやすくなります。

2つ目のポイントは、問題文に中に出てくる「登場人物」の把握です。

それぞれの登場人物の相関関係を押さえましょう。

3つ目のポイントは「時間の流れ」です。

小説文の中では……

  1. なんらかのイベントが発生
  2. イベントによって登場人物の心情が変化する
  3. 心情の変化が、登場人物の行動やセリフに影響を与える

という時間の流れが起こっています。

小説文は時間の流れやイベントによって起こる、登場人物の心情の変化に注意しながら読み進めましょう。

小説文の解法の身につけ方

小説文で「登場人物の心情の変化」とらえる力をつける方法は「解説」を読むことです。

解答の解説には、登場人物がどのような流れでその心情になったかが的確にまとめられています。

小説文の問題をたくさん解き、解説を読み込むことで、登場人物の心情を想像する力が身に付きます。

古文

古文に関しては、中学校での授業が少ないので学習時間が少ないです。

学習時間が少ない状況でも定期テストに出題されるので、古文に苦手意識を持つ中学生が増えてしまいます。

それでは、高校受験のための古文の勉強法をみていきましょう。

古文の単語を覚えるコツ

単語の暗記も重要な要素です。英語の英単語と同じように、単語がわからないと文章を理解することが難しくなります。

特に、今と昔では意味が違う古文の単語に気を付けましょう。

古典の単語を覚えるコツは「語源をもとに意味を理解すること」です。

例えば、「ありがたし」という形容詞の意味を考えてみましょう。

「ありがたし」は『めったにない』という意味を持っています。実は、ありがたしを漢字で書くと「あり難し」となり、「めったいにない」様をあらわします。

このように、語源を理解することで古文の単語は覚えやすくなります。

今と昔では意味が違う古典の単語は問題としても出題されやすいです。

暗唱が重要

高校受験の古文の勉強の第一歩は「暗唱」です。

国語の授業では、必ず教科書にのっている古文の暗唱をしたのではないでしょうか?

教科書に載っている古文の代表例は……

  • 竹取物語
  • 枕草子
  • 徒然草
  • 奥の細道

になります。

古文は主語が省略されていて、中学生には理解しにくいという特徴があります。

教科書にのっている古文には重要な単語や文法が含まれており、古文の暗唱をすれば「をかし」や「わろし」といった古文独特の読み方もマスターできます。

だから、国語の先生は教科書に載っている古文の暗唱を生徒にさせますが、古文でつまずく中学生は「古文の暗唱」をサボっています。

古文を暗唱して現代語訳と照らし合わせながら省略された主語を補う練習をしていけば、古典の点数は自然と伸びていくはずです。

よく出る文法を理解する

古文の勉強法では、助詞・助動詞・系助詞などの文法をしっかりと理解することが大事です。

助詞・助動詞・系助詞を、それぞれ詳しく見ていきましょう。

助詞

高校受験で重要な助詞です。

「ば」

1.仮定(未然形+ば)
2.確定(已然形+ば)
1.もし〜ならば
2〜ので、〜から

「が」「の」


1.主格
2.連体修飾格
3.同格
4.体言の代わり
5.比喩
1.~が
2.~の
3.~で
4.~のもの・~のこと
5.~のような

「を」

1.動作の対象
2.動作の起点
3.場所・時間
1.~を・~に
2.~を・~から
3.~を

「に」

1.場所・時間
2.動作の対象
3.動作の目的
4.変化の結果
5.原因・理由
6.受身・使役
7.比較の基準
8.添加・列挙
9.資格・状態
1.~に・~で
2.~に・~と
3.~のために・~に
4.~に・~と
5.~で・~によって
6.~に
7.~に・~より
8.~のうえに
9.~として・~で

特に「ば」は、高確率で出題される助詞になります。

助動詞

高校受験で重要な助動詞です。

「る」「らる」

る・らる1.受身
2.尊敬
3.可能 
4.自発
1.~れる、~られる
2.~られる、~なさる、お~になる
3.~できる
4.~れる、~せずにはいられない

「す」「さす」「しむ」


さす
しむ
1.使役
2.尊敬
1. ~せる、させる 
2. ~なさる、お〜になる

「き」

1.過去1.~た

「けり」

けり1.過去
2.詠嘆
1.~た、
2.~なぁ・~ことよ

「たり」「り」

たり
1.存続
2.完了
1.〜ている・〜てある
2.〜た・〜てしまった

「なり」

なり1.断定
2.存在
1. ~だ、~である 
2. ~にいる、~にある

「ず」

1.打消し1.〜ない

特に打消しの助動詞「ず」は、必ずと言っていいほど設問に関係します。

係り結びの法則(系助詞)

係り結びの法則は「係りの助詞(係助詞)」と「結びの語」の関係のことです。

系助詞が「ぞ・なむ・こそ」の場合は強調を、「や・か」の場合は疑問・反語を表します。

係り結びは設問になることが多い重要ポイントです。

出題されやすい作品の現代語訳を読む

高校受験の古文には……

  • 宇治拾遺物語
  • 伊勢物語
  • 源氏物語
  • 沙石集

など、出題されやすい題材があります。

これららの題材の「現代語訳」を事前にチェックしておくと、入試で出た際に有利です。

漢文

漢文も古文と同じく、なかなか授業でポイントやテクニックを押さえるのが難しい分野になります。

それでは、高校受験のための漢文の勉強法をみていきましょう。

返り点をマスターする

漢文には……

  • 白文…もとの漢詩(返り点や送り仮名をつける前の状態)
  • 訓読文…返り点や送り仮名を付け足した状態の漢詩
  • 書き下し文…言葉の順番を入れ替えて、日本語に書き直した文

の3種類です。

3種類の中での重要度が高いものが訓読文で、訓読文が読めるようになれば書き下し文もスムーズに読めるようになります。

訓読文を読めるようになるためには、漢文の文法と言える「返り点」を理解する必要があります。

【返り点】

レ点レ点の下の字を読んで、すぐ上の字に返る
一・二点一点のついた字を読んで、二点のついた字に返る
上下点一・二点をはさむ形で置かれる
上点のついた字を読んで、下点のついた字に返る
返り点の説明

高校になると本格的に漢文を学習するので、複雑な文法の学習の必要があります。

中学生のうちは「レ点」と「一二点」を理解しておけば、ほとんどの問題を解くことができます。

置き字(而、於、耶、哉などの読まない漢字)に関しても、きちんと理解しておくようにしましょう。

漢詩の形式

漢文の形式は「絶句」と「律詩」の2種類です。

【絶句】

4つの句からなり、五言絶句(5語×4句で20語)と七言絶句(7語×4句で28語)に分かれる。

【律詩】

8つの句からなり、五言律詩(5語×8句で40語)と七言律詩(7語×8句で56語)に分かれる。

字数句数押韻
五言絶句54
七言絶句74
五言律詩58
七言律詩78

高校受験では、漢文の特徴である「対句(ついく)」と「押韻(おういん)」も出題されやすいポイントです。

国破山河在
城春草木深

感時花濺涙
恨別鳥驚心

烽火連三月
家書抵萬金

白頭掻更短
渾欲不勝簪

教科書にものっている、杜甫の春望を例に説明していきます。

対句

春望の中では、三句目と四句目が対句になっています。

三句目に注目すると…

感 時 花 濺 涙
恨 別 鳥 驚 心

並んだ漢字を縦にみていくと…

「感」「恨」、名詞の「時」「別」、名詞の「花」「鳥」、動詞の「濺」「驚」、名詞の「涙」「心」がそれぞれ対応していることに気づきます。

対句とは、形や意味が似ている二つの句を並べる表現方法です。

対句は高校受験でも狙われやすいポイントになります。

押韻

漢文中で韻の位置は決まっています。

【韻の位置】

五言絶句偶数句末
七言絶句最初の句と偶数句末(正格)
偶数句末のみ(変格)
五言律詩偶数句末
七言律詩最初の句と偶数句末(正格)
偶数句末のみ(変格)

春望は律詩なので偶数句の末尾に押韻します。

国破山河在
城春草木

感時花濺涙
恨別鳥驚

烽火連三月
家書抵萬

白頭掻更短
渾欲不勝

深(sin)、心(sin)、金(kin)、簪(sin)というようにきっちり韻を踏んでいます。

押韻は出題されやすいので要注意です。

現代語訳をチェックする

漢文は現代語訳とセットでストーリーを頭に入れておくようにしましょう。

現代語訳をチェックする時には、古代中国の思想や文化を見ておくのがおすすめです。

古代中国は現代の日本と大きく異なることが多く、思想や文化を知っていると解ける問題が結構出題されます。

儒家思想を知っいるかは大きな差になります。

中学校の教科書にのっている漢文は、「矛盾」「四面楚歌」「五十歩百歩」など分かりやすいストーリーが多いので、気軽に読んで知識を蓄えておくと良いですね。

高校受験の国語勉強法

高校受験の国語勉強法は次の5つです。

  • 長文読解に慣れる
  • 過去問を解く
  • 苦手対策を優先する
  • 選択式問題の解き方をマスターする
  • 記述力をアップする

いかに、志望校の傾向を掴んで適切な対策ができるかが大事になってきます。

高校受験の勉強の基礎は定期テストの対策になります。

基礎が身に付いた上で、分野ごとに解法やテクニックを駆使することが必要です。

高校受験の準備は早く始めれば始めるほど、高校受験で有利に戦うことができます。

この記事が、高校受験の国語の得点アップに役立つことを祈っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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