あらゆる試験において解答を解答用紙に記述しなければ正解になりません。
記述が苦手なお子さんを持つ保護者にとって、記述できないということは深刻な悩みです。
記述する能力はセンスで決まると思われがちですが、そうではありません。
記述問題の答え方にはコツがありますし、トレーニングを行えば記述問題は答えられるようになります。
この記事では、「記述問題の答え方」を解説します。
以下は僕の自己紹介です。

記述問題の答え方

文章の基本構成は……
起・承・転・結タイプ | 物語や小説に多く見られる |
序論・本論・結論タイプ | 作文に多く見られる |
の2つのタイプに分けられます。
記述を行う際には、序論・本論・結論タイプで文章を構成すると上手に答えられるようになります。
ここで、3ステップ記述法という記述問題の答え方を紹介します。
各ステップのポイントを確認していきましょう。
【ステップ1】書くための要素をそろえる
ステップ1は文章を書くための要素をそろえるになります。
文章を書くための要素は問題の中からピックアップするので、問題文で問われていることをしっかりと把握することが大切です。
問題文を読み進める際には「何を求められているのか」や「どのような観点から記述問題に答える必要があるのか」を確認しましょう。
【ステップ2】各要素を短い文にする
ステップ2では各要素を短い文にしましょう。
具体的には、ステップ1でそろえた要素を箇条書きにします。
箇条書きにするときには、「主語+述語」の形で短文を作るのがポイントです。
【ステップ3】短文をつないで文章にする
ステップ3ではステップ2で箇条書きにした短文をつなげます。
短文をつなげるときには「序論・本論・結論」を意識することが大切です。
箇条書きにした内容を、序論・本論・結論の3つに分類してから短文をつなげるようにすれば間違いないでしょう。
注意点
最後に、文末について注意点を書きます。
ある問題で「○○とは具体的にどういうことですか?」と問われているとしましょう。
この問題の解答は「△△ということ」と答えるべきです。
他にも、問題文で「それはなぜですか?」と聞かれたら「~だから」というように理由を答える形で答えなければなりません。
このように、記述の文末表現には注意が必要です。
問題に沿った文末表現ができているかも必ず見直しするようにしましょう。
今回紹介した3ステップ記述法は練習すればするほど上達します。
どんどん書く練習をして3ステップ記述法をマスターしてください。
記述問題が苦手な中学生に効果的なトレーニング

中学生はインプット(読む、聞く)は日常的に経験しますが、アウトプット(書く、話す)はなかなか経験することができません。
実際、教育現場にいるとアウトプットが苦手な中学生が多いと感じます。
記述問題が苦手な中学生に効果的なトレーニングは、次の5つです。
1番から順に取り組む必要があります。
それでは、記述問題が苦手な中学生に効果的なトレーニングをくわしく解説します。
読解力をつける

- 問題で何が問われているのか
- 問題で問われていることに、どう答えたらいいか
が理解できなければ始まりません。
何はともあれ、読解力をつけることが重要になります。
↓読解力を上げる方法はこちらで詳しく解説▼

文章を書く経験を積む

文章が読めるからといって書けるかというとかなりハードルが上がります。
中学生が記述問題を解けるようになりたいのであれば、とにかく「文章を書く経験を積むこと」が大事になります。
最初は2~3行程度の日記など短い文章を書くことからでOKなので、文章を書くという経験を積むことが重要です。
文章を書き写す
文章を考えるのが苦手であれば、文章の書き写しに挑戦しましょう。
いきなり長い文を書き写したり、毎日書き写しをしよう頑張りすぎると、書くのが嫌になって途中で挫折してしまいます。
3日に1回くらいのペースで、書き写しをやってみるのが丁度良いです。
ここからは、中学生の書き写しの題材としておすすめのものを紹介します。
【教科書】
教科書は最高の書き写しの題材です。
教科書を書き写すことで得られるメリットは次の2つになります。
- インプットとアウトプットを繰り返すことができる
- 流し読みや飛ばし読みを防ぐことができる
教科書の書き写しは、アウトプット(文章を書く)とインプット(自分が書いた文章を見る)の繰り返しになり、着実に教科書の内容を自分のものにできます。
教科書は定期テストや高校受験の問題のベースです。
したがって、教科書を完璧に理解しておけば定期テストや高校受験の失敗を避けられます。
また、書き写しでは「見る」と「書く」の2つを同時に行い、1文字1文字文字に意識が集中するので流し読みや飛ばし読みができなくなります。
教科書以外にも、問題集の模範解答も書き写しに適していると言えるでしょう。
【新聞記事】
書き写しの題材として、有名なのは朝日新聞の「天声人語」です。
天声人語も良いのですが、「新聞記事(社会面や政治面)」の書き写しをおすすめします。
次の3つが「新聞記事(社会面や政治面)」の書き写しをおすすめする理由です。
- 毎日内容が変わる
- 語彙力が増える
- 受験に必要な時事問題に触れることができる
新聞記事を題材にすれば、毎日内容が変わるので飽きずに書き写しに取り組むことができます。
新聞記事の書き写しが習慣化してくると、語彙力が大幅に増えていることを実感するでしょう。
語彙力が多ければ多いほど定期テストや高校受験では有利になるので語彙力を増やせる書き写しにデメリットはありません。
新聞記事の中で時事問題に触れることは、社会情勢に関する知識を養うことにもつながります。
採点者の視点に立って文章を書く
読解問題に答えるのに必要な力が「人の話を理解する力」だとすると、記述問題に答えるのに必要な力は「人に説明する力」と言えます。
人に説明するとき、一番大事なことは分かりやすく伝えることです。
定期テストや高校受験の解答用紙に記述した文章を見るのは「採点者」ですから、採点者の視点に立った文章を書く必要があります。
「主語がハッキリと書かれているか」、「問題で問われてることに対して的確に解答できているか」などをチェックしましょう。
大事なことなので、もう一度言います。普段から問題に答えるときには、採点者の視点に立って『分かりやすい文章を書くことが大事』です。
採点者の視点に立って文章を書くことができれば、記述問題に答えるのが得意になっていることでしょう。
模範解答と比べる

模範解答は、最適な解答なので自分の解答と比較することで参考にできる部分がたくさん見つかります。
自分の解答と模範解答を比べれば、自分の解答に不足している要素を確認することできます。
文末表現や誤字などのケアレスミスが無かったかの確認も忘れずに行いましょう。
文章を要約する

文章の要約は、中学生が記述問題に答えるトレーニングとして非常に有効な方法です。
- 文章の中から大事なポイントを探し出す力が身につく
- 文章の中の大事なポイントを自分の言葉で言い換える力が身につく
- 文章で大事なポイントをまとめる力が身につく
文章を要約したあとは…
- 先生に要約の添削をお願いする
- 要約を時間をおいて読み返す
- 要約を人に話して聞かせる
の3つを心がけましょう。
先生に添削をお願いすれば要約のコツが掴みやすくなります。
また、時間をおいて読み返すことで自分の間違いを再発見することにつながります。
要約を人に話すことによって間違った言葉の使い方に気づくこともできるでしょう。
字数制限のある問題を解く

中学校のテストや高校受験では、「〇〇という言葉を使って、△△字以内で答えなさい」というように『制限字数で答えるタイプの記述問題』が多く出題されます。
記述問題の答え方では制限字数内におさめつつ、必要な内容を全て盛り込むために、「言葉を言い換えたり、文字数をコントロールしながら書く力」が重要になります。
制限字数で書く練習で最も良い方法は、同じテーマの文章を200字・100字・50字で書くトレーニングです。
大事なポイントを省かないように文字数を少なくするには……
- 表現方法を変える
- 言葉を言い換える
- もっと短い言葉を使う
の3つを意識する必要があります。
言いたいことをそぎ落とさずに字数だけを少なくするには、「同じ意味を持つ短い言葉」を知っていないと対応ができません。
同じテーマの文章を少ない字数で書く練習を積み重ねて行けば、自然と言葉のレパートリーが広がるでしょう。
記述問題の答え方がうまくなるために取り組みたいこと
記述問題の答え方がうまくなるために取り組みたいことは……
になります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
結論から話す

実は、記述問題の答え方は日常会話の中でもレベルアップできます。
記述が苦手な中学生が話すときに意識するべきことは「結論から話すこと」です。
4コマ漫画では起承転結がオーソドックスな話の組み立て方になっています。
起承転結を踏まえて話をすると良い気がしますが、起承転結の流れで話をすると聞いている相手は「何の話をしているの?」と思いながら最後まで話を聞かなければいけません。
結論から話せば、自分の意見をダイレクトに話し相手に伝えることができます。
最初に「何を伝えたいのか」を相手と共有すれば、自分の意見を的確に相手に伝えられるというわけです。
実はこのブログの全て記事も「最初に結論から始めている」ことに気が付いていましたか?
次に、3ステップ記述法の中で主語+述語をベースにした短文を作るという話を思い出してください。
記述問題の答え方のレベルアップするためには文章を書くことが大事ですが、なかなか書く回数を稼ぐことができません。
書くより話す方が気軽にできるので、日常会話で「主語+述語で話すこと」を意識しましょう。
シンプルな短文で説明することができるようになれば、自分の意見を的確に相手に伝える力が身に付きます。
自分の意見を持つ

テストや受験問題を分析すると、記述問題は大きく2種類に分かれることに気が付きます。
1つ目は「与えられた言葉や用語を使って記述する問題」です。
例えば「〇〇という言葉を使って、△△字以内で述べなさい」という問題は、与えられた言葉や用語がヒントになるので記述しやすい問題と言えます。
2つ目は「自分の考えを含めて記述する問題」です。
具体的には「〇〇について、あなたの考えを含めて△△字以内で述べなさい」という問題になります。
答えに自分の考えを入れる訳ですが、急に自分の考えと言われても…すぐには思いつきません。
自分の考えを含めて記述する問題に解答するには、自分の意見を持っているかが大きく関係します。
自分の意見を持つためには…
- 日頃から自分の力で考えること
- 自分の考えを人に説明すること
- 自分の意見を書く練習をすること
が大事になるでしょう。
記述問題の答え方
何も考えずにひたすら書く作業に時間を割いても、記述問題に答えることはできるようになりません。
記述問題の答え方には、3ステップ記述法を使うのがおすすめです。
3ステップ記述法などの記述のテクニックを身につけることも、定期テストや高校受験で得点を取るために必要になるでしょう。
また、記述問題が苦手な中学生に効果的なトレーニングは次の5つです。
記述問題を答えるには「正しい文章を真似したり、目的をもって文章を書くこと」が重要になりますが、中学生が独学でマスターするのが難しいかもしれません。
記述問題の答え方を正しく身につける方法として、一押しのサービスが「オンライン家庭教師」になります。
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よかったら、記述問題の答え方以外の記事もチェックしてみてください。
この記事で、記述問題が苦手な中学生が1人でも減ることを祈っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!